もしも自分が…あるいは、飼っている犬猫が『がん』と言われたら…

 


ひと昔前は、がん=死期が近いといったイメージがあったと思いますが、現在はそうではありません。がんは際限なく大きくなるために、がんが出来てしまった動物の命をも脅かしますが、がんがそのままの小さいサイズでおとなしくしていれば、『共存』できるのです。

がんの三大標準治療といえば、摘出手術、放射線、抗がん剤ですが、それ以外にも、多くの『補完代替療法』という治療があります。これらの多くの治療を組み合わせて行えば、『がんがそのままのサイズでおとなしくしてくれる』という状態が可能になるかもしれないのです。もちろん、三大標準治療だけでその状態になることもありますが、そうならない場合、いろいろな治療を組み合わせて利用することを、お勧めします。

そして、補完代替療法の代表的なものが、漢方治療です。

漢方薬を用いた医学は、中医学と呼ばれています。これはすなわち、中国伝統の医学のことなのですが、バランス医学であるとも言われています。

 

つまり、野球のようなものです。攻めと守りがセットになっているのです。がん治療についていえば、上に述べた三大標準治療は、攻めです。これには守りがありません。漢方治療では、この守りが可能となります。そしてもちろん、漢方治療には、攻めもあります。

がん治療における漢方の役割としては、以下が挙げられます。

(1) がん自体をやっつける=攻め
(2) がん治療の副作用を緩和する
(3) がん自体による症状…例えば下痢や食欲不振などを改善する=守り

(4)  がんを治して、再発しないための予防

また、人間ですと、自分ががんに侵されていると考えるだけで、精神的に追い詰められてしまうことがありますが、その症状を軽くすることにも、漢方治療が役立ちます。病は気からと言われますが、その通りで前向きな気持ちの持ちようが、自身の免疫を高めます。

がん以外でも、いろいろな病気と症状に、漢方は有用です。

 



当院にこられた患者様のお話しですが、飼っておられる犬ががんになってしまい、かかりつけの動物病院で『がん治療に漢方薬を使いたい。』とお伝えしたところ、『漢方にはエビデンス(効果があるという証拠)がないから』と全否定されたそうです。

実際には、全くそうではありません。エビデンスはたくさん報告されています。しかし、漢方薬は、同じ病気であっても患者によって処方が異なるオーダーメイドの治療です。多数決で効果を判定するような、現代科学に基づく証明方法では、クリアに証明することは困難です。

ですが、漢方は4000年前からある治療方法です。効果が無いとなれば、とっくの昔に廃れていたと考えられます。効果があるからこそ、これまでの4000年の間に、非常に多くの人間が使ってきました。その実績こそが、証拠だと私は思います。