1 自治体は、多数の動物の飼養・保管により「周辺の生活環境が損なわれている事態」が生じているときは、飼養者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができます(動物愛護管理法25条1項)。
「周辺の生活環境が損なわれている事態」というのは、以下の①②③の3の条件をすべて満たすものをいいます(施行規則12条)。
① 以下のいずれかの事態が発生していること
イ.音(頻繁に発生する動物の鳴き声その他の音)
ロ.臭気(飼料の残さ又はふん尿その他の汚物の不適切な処理
又は放置より発生する臭気)
ハ.飛散する毛(敷地外に飛散する動物の毛又は羽毛)
ニ.ネズミ、ハエ、ノミ等の発生(多数の衛生動物の発生)
② 周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしていること
③ 日常生活に対する支障が、周辺住民の間で共通の認識となってい
ること
2 自治体が勧告をしたにもかかわらず飼養者が従わない場合は、飼養者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるよう命令することができます(動物愛護管理法25条2項)。
この命令に飼養者が従わなかった場合、20万円以下の罰金に処せられます(同法47条3号)。
3 問題点
どの程度の音、臭気、毛、衛生動物が発生していれば上記1の②の「周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしている」と認定することができるのか具体的な基準が動物愛護管理法や施行規則に書かれていないため、自治体がこの点について認定しずらくなっています。
そのため、なかなか勧告や命令を出してもらえないという実情があります。