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林 太郎

猫好き弁護士 東京在住 「動物の愛護及び管理に関する法律」に関心を持っています。 伴侶動物は猫3頭 2頭は家、1頭は虹の橋

1 自治体は、多数の動物の飼養・保管により「周辺の生活環境が損なわれている事態」が生じているときは、飼養者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができます(動物愛護管理法25条1項)。


「周辺の生活環境が損なわれている事態」というのは、以下の①②③の3の条件をすべて満たすものをいいます(施行規則12条)。


  ① 以下のいずれかの事態が発生していること
      イ.音(頻繁に発生する動物の鳴き声その他の音)
     ロ.臭気(飼料の残さ又はふん尿その他の汚物の不適切な処理

        又は放置より発生する臭気)
     ハ.飛散する毛(敷地外に飛散する動物の毛又は羽毛)
     ニ.ネズミ、ハエ、ノミ等の発生(多数の衛生動物の発生)
  ② 周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしていること
  ③ 日常生活に対する支障が、周辺住民の間で共通の認識となってい

     ること


2 自治体が勧告をしたにもかかわらず飼養者が従わない場合は、飼養者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるよう命令することができます(動物愛護管理法25条2項)。

  この命令に飼養者が従わなかった場合、20万円以下の罰金に処せられます(同法47条3号)。


3 問題点
  どの程度の音、臭気、毛、衛生動物が発生していれば上記1の②の「周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしている」と認定することができ
るのか具体的な基準が動物愛護管理法や施行規則に書かれていないため、自治体がこの点について認定しずらくなっています。
そのため、なかなか勧告や命令を出してもらえないという実情があります。

 NPO法人の認証を取得して活動を行っている動物愛護団体の方も多いであろう。
 4月1日から改正NPO法(特定非営利活動促進法)が施行されているので、重要な点を押さえておきたい。


 今回の改正のポイントは、NPO法人が、活動に賛同する一般市民からの寄付を集めやすくなったことだ。
 これまで、活動に賛同する一般市民がNPOへ寄付をしたときに寄付金について所得税・住民税について優遇措置を受けるためには、当該NPO法人が国税庁から認定を受けた「認定NPO法人」であることが必要だった。
 しかし国税庁への認定の申請手続きが煩雑だったため、「認定NPO法人」は全NPO法人の0.5パーセントにとどまっていた。


 そこで今回の改正で、認定手続を分かりやすく、使いやすいものとするため、認定を付与するのがこれまでの国税庁から自治体(都道府県、指定都市)へと移管された。
 また、認定付与の審査基準が緩和された「仮認定」の制度も創設され、設立後5年以内の法人や財政基盤が脆弱な法人も3年間に限り、仮認定を受けることができ、寄付をした一般市民が税制優遇が受けることができるようになった。

 認定NPO法人、仮認定NPO法人に寄付した一般市民は、国税と地方税あわせて寄付金額の最大50パーセントが税額から控除できることになる。

 認定制度の改善、仮認定制度の創設により、寄付者が税制優遇を受けられるNPO法人の数は、今年度には改正前の250法人から1500法人まで増加する見込みだ。


 寄付を集めやすくなった認定制度、仮認定制度を活用して活動資金を充実させ、犬猫の不妊去勢活動、保護活動、譲渡活動、地域猫活動、啓発活動などを積極的に展開するNPO法人が現われることが期待される。

5 実験動物
 国内でどういう種類の動物がどれくらいの数、動物実験されているのか、どこに動物実験施設が存在するのかなど、実験動物に関することには不明なことが多い。そのため、動物愛護
管理法で規定されている3Rの原則(代替法の活用、使用数の削減、苦痛の軽減)が実験動物取扱施設において守られているかについて自治体が確認することができないのが現状である。

 実験動物について不明なことが多い原因は、現行法では、実験動物生産業者や動物実験施設が自治体への登録義務の対象外となっているためだ。
 そこで改正法では、実験動物生産業者を「動物取扱業」に新たに組み入れて自治体への登録を義務付けるほか、動物実験施設についても自治体への登録(届出)の義務付けが盛り込まれ
ると予想される。


6 関連法令違反時の取扱い
 狂犬病予防法、種の保存法、関税法・外為法のうち動物に関する部分、外来生物法など動物愛護管理法以外の動物関連法令に違反した者でも動物取扱業の登録を受けることができるの
が現状だ。

 その理由は、現行法では、法令違反による動物取扱業の登録拒否・取消に関しては「動物愛護管理法」違反のみが対象となっているためだ。しかし、動物に関する他の法令に違反した者が果たして適正な動物の飼養管理ができるのか、との疑問の声が強い。

 そこで改正法では他の動物関連法令に違反した者も新たに登録拒否・取消の対象として加えられると予想される。


 以上、動物愛護管理法について改正が予想される事項を見てきたが、規制が強化されればそれだけ各自治体の事務が肥大化するのは避けられない。予算も人員も限られている自治体において各職務を全うするためには運用についても様々な工夫が必要となるであろう。動物愛護団体などの民間団体との連携の構築が今後の課題となりそうだ。