朝、眠い目をこすり、誰よりも早く起床する。
朝食を用意して家族の者を起こす。
家族の者が朝食をとっている間、洗濯物を干し、ゴミ出しをする。
家族の者を仕事や学校に送り出した後、食器を洗い、部屋の掃除をする。
ひと段落してホッとしたら、もう9時過ぎ。
起床して、既に三時間が経過した。
…さて、この文章を書いている人は女性でしょうか?それとも男性でしょうか?
おそらく9割近くの人が、「女性」と答えるでしょう。
早朝から家事に勤しむ配偶者が、男性であってもいいはずです。
これだけ女性の社会進出が進み、男女平等が実現できているとはいえ、家事をメインにこなしている配偶者は、現状としては、ほとんどが女性です。
このことを如実に示しているのが、国民年金第3号被保険者の98.5%は女性であるという事実です。
※厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」による
※国民年金第3号被保険者=会社員等に扶養されている年収が130万円未満の配偶者
要するに、「俺ってさ、嫁さんに養われているんだよねぇ。」と言っている世帯は、全体の1.5%しかいないわけです。
嫁さんに養われている旦那さんの数が、ここまでも少ないのはどうしてでしょうか?
その理由が、女性の持つ「上昇婚志向」です。
民間の調査において、女性(18歳以上)が男性に望む「最低年収」をみると、いまだに8割近くが「400万円以上」と答えています(’21年 リンクバル「未婚男女の婚活・結婚意識調査」)。
女性は男性以上に、将来の結婚相手に「年収」を求めているわけです。
では、なぜ女性は男性に高収入を望むのでしょうか?
これは別に、女性が強欲や傲慢だなどということではなさそうです。
つまり、動物としてのヒトのメスが持つ本能や習性であると言えます。
アフリカの狩猟民族を研究している専門家によれば、当該狩猟民族の女性は男性の選好において知性と狩猟採取能力を重視するそうです。
当たり前ですね。
男性が食べ物を取ってこないと、家族は飢え死にしてしまいますから。
死活問題ですよ。
狩猟採取社会における狩猟採取能力とは、貨幣経済社会における資源(つまりお金)獲得能力に相当します。
資源獲得能力の高い男性が選好されるのは、狩猟採集社会でも貨幣経済社会でも同様だということですね。
(後半へ続く)