私は学童クラブで働く、飲んだくれのやさぐれおっさんです。

 

 複数の学童を渡り歩き、そこで多くの子どもたちと接しています。

 

 学童とは中途半端な位置づけでして、学校とも家庭とも異なる側面があります。

 

 学校のように、(子にとっては苦行の)勉強をするところではありません。

 家庭のように、心からくつろげるところでもありません。

 

 つまり、楽しいところでもあり、集団生活故の苦痛もあります。

 

 そんな子供たちを見ていると、たいてい一クラスにニ・三人程度の発達障害もしくはグレーゾーンの子どもたちに遭遇します。

 

 しかし最近になって思うのは、彼ら全員が発達障害(つまり先天的)ではなく、子ども達の家庭環境(つまり後天的)な要素も多分にあるのではないか、もしくはそれらの複合的要因が絡んでいるのではないか、と思うようになりました。

 

 それは「機能不全家庭」が原因ではないか、という推測です。

 

 機能不全家庭を説明するためには、まず「アダルトチルドレン」という用語を理解する必要があります。

 

 アダルトチルドレンとは、もともとは「Adult Children of Alcoholics=ACOA」から来ています。
 意味は「アルコール依存症の親を持つ家庭に生まれ、現在大人になった人」から来ています。
 今ではこの意味の解釈が拡大されて「機能不全の家庭に生まれ、大人になった人」を指すようになっています。

 

 近年は、アダルトチルドレンのことを、「毒親」とも呼びます。

 

 このような毒親が支配する家庭のことを、機能不全家庭と呼んでいます。

 

 極端な例として挙げられるのは…

  ギャンブル、異性などに親がのめり込んでしまい、子供の面倒を見なかった
  両親がいつもケンカばかりしていた、家庭内に身体的、心理的暴力が常にあった
  子供が親からの過保護、過干渉にさらされるような家庭環境であった

 

 まあ要するに、本来家庭が持つはずの機能「家族が心から安らげる場所」を有していない家庭のことをいうわけですね。

 

 ただ世の中に、完璧な家庭などありません。

 

 過干渉でもだめ、無干渉でもだめ、ほどほどが重要だと言われても、子を持つ家庭としては、そのバランスは超難しいです。

 

 ただ、余りにも家庭としての機能を持たなすぎる家庭で生まれ育った子供は、何らかの「闇」を抱えてしまうことは、間違いなさそうです。

 

 後半へ続きます。