市役所から、他校の学童クラブのヘルプが来ました。

 

 「元気な子がいるので、その子の相手をしていただきたいのですが。」

 

 元気な子かぁ…どうせ多動だろうなぁ…。

 

 断る理由もないので(どうせ暇だし)、応じることにしました。

 

 この後まさか、私が後悔することになるとは、想像すらしていませんでした。

 

 お相手の子どもは、まさにPERFECTな子、ADHDのチャンピオンにふさわしい人材でした。

 

 ADHDの行動特性を、余すところなく身につけていました。

 

 強い衝動性、癇癪持ち、粗暴な言動、好奇心の塊…

 

 私が初めてお会いしたタイプの子どもでした。

 

 言うことを聞かないなんて代物ではありません。

 

 絶えず動き回り、暴れまわり、注意すると癇癪を起こして激高し、口汚く罵り、物を破壊します。

 

 これでは、他の子どもたちは、怖くて近寄れません。

 

 とにかく好奇心の塊なので、あらゆる「いけないこと」に手を出します。

 

 壁にかかっている掲示物を剥がして破く、部屋のスイッチを押しまくる、おもちゃをぶちまけるか破壊する、等

 

 表に出ると、わざと人のいる方向にボールを蹴り、校庭の表に出ようとします。

 

 これでは、学童が一人の子どもに破壊されてしまいます。

 

 …家庭では、どんな生活をしているのでしょうか?

  大人しくしているはずはありません。

 

 ここまでのレベルだと、医療に取り次いで医師の診断を仰ぎ、必要に応じて投薬しなければなりません。

 

 おそらく保護者は、そこまでの意識がないのでしょう。

 

 家で暴れてしまうので、とにかく学校、学童にいてほしい、その程度の認識なのでしょう。

 

 その子は、時間になると一人で帰宅しました。

 

 帰宅や登校途中で事件・事故に巻き込まれるか、あるいは引き起こしてしまうか。

 近い将来、そんなことが予想される子どもでした。

 

 この子の相手は、…さすがに辛いかな…。