私見ですが、優秀な日本人は、海外で活躍し、その能力を充分に発揮してもらいたいと思います。

 

  本音を言えば、日本の活力を高めるために、日本で活躍してほしいところですが。

 

 資源の乏しい日本は、従来から人材の力で国力を豊かにしてきました。

 そのため、日本では近現代から教育の重要性が求められ、現在に至っています。

 

 …といいたいところですが、果たして現在に至っているのでしょうか?

 

 日本人は勤勉・真面目であり、コツコツと業績を積み上げる国民性です。

 このことから、かつて日本は「技術立国」と呼ばれてきました。

 

 しかし今は、見る影もありません。

 日本の人口当たり論文数を見ると、先進国には遠く及ばず、東欧諸国並みに落ち込んでしまっています。

 

 理由の一つは、大学への公的資金投入量が少ないこと。先進国最低です。

 何故か日本は、こと教育に関しては、「受益者負担の原則」を貫きます。

 日本のお上は、教育にお金を使うことは「国民の理解が得られない」とお考えのようです。

 

 研究に投資しなければ、研究員の身分や報酬等、待遇も悪化します。

 

 こんな状況では、優秀な研究者が海外に新天地を求めるのも、自明の理です。 

 

 研究員に限らず、日本人の優秀な人材が海外へ流出している現象は、実際に存在しています。

 外務省の「海外在留邦人数調査統計」によれば、2022年に海外に住む日本人は約130万人強であり、1989年時点の約58万人から2倍以上に増加しています。


 海外の方が、総じて成果主義で成果に見合った報酬を得やすいこと、ワークライフバランスを大切にしている企業が多いことが挙げられます。

 

 そもそも能力が高い人は、日本では活躍しづらいですね。

 

 日本における優秀な人材の判断基準は、「和を重んじること」です。

 個人の業績よりも、いかに上司の顔色を伺うか、いかに組織の空気を読むか、が出世のカギを握ります。

 日本の会社における管理職選考基準は、「管理能力ある人」よりも「『この人となら一緒に仕事をできる』と、現管理職が思えるような人」です。

 

 こんな息苦しい組織では、その能力を充分に開花させることができません。

 

 メジャーリーガーのように、ぜひ海外へ行ってください。


 しかしこんなことをしていると、日本はどんどん労働生産性が低くなり、主要産業が衰退し、OECD加盟国最下位をキープし続けることになってしまいますけどね。