先月の話ですが、NHKスペシャルでうつ病を抱えたミュージシャンのことを取り上げていました。
彼は音楽に人生を捧げ、音楽活動に没頭しているうちにうつ病を患い、大好きな音楽活動ができなくなってしまいました。
何とかライブ活動を始めることができるまでに、二年かかったそうです。
かれはインタビューの場で、今回うつ病を告発した理由について、以下のように語っていました。
「私が告発することで、うつ病の理解に役立つことができればうれしい。」
社会的に影響力のある著名人が告発することは、うつ病の恐ろしさについて世に知らしめるにはちょうど良い機会ということでしょう。
ただ通常は、あまり好きではない仕事、慣れない仕事、嫌いな人との付き合いを続けてストレスがたまった、という事例が多いかと思います。
そういった意味では、今回のミュージシャンである彼のうつに至った経緯は、特殊ではあります。
大好きな事を続けているうちにうつ病になったのですから、一般的にはレアケースかもしれません。
「自分には関係ないや」と思い、他人事のように見ていた方もいたことでしょう。
でもそれは、見た方に一定の正常性バイアスが働いていたのではないでしょうか?
※ 正常性バイアスとは防衛本能の一環で、想定外の場面や自分にとって都合の悪
い状態に置かれたときに、「これは大したことではない」と思い込むことで現
実逃避する心理特性のことです。
うつ病は、誰もがかかる病気です。
日本人の15人に1人が発症しています。
風船に空気を入れ続けるように、継続的なストレスがかかれば発症します。
心が強い人、弱い人は関係ありません。
(風船が強くても、空気を入れ続ければいずれは破裂します)
自分には関係ないと思っても、大事な人がうつ病になるかもしれません。
ストレスであれは、何でも構いません。
仕事だけでなく、愛する者の死別によって発症した著名人もいます。
予期せぬ怪我や病気の苦しみから、発症した著名人もいます。
ただしうつ病を必要以上に恐れるのではなく、正しく恐れてください。
うつ病の前段階である兆候、抑うつ反応の段階で、心療内科にかかってください。
最後に大事なのは自分の体、そして親族です。