昨年あたりから、「ゆるブラック」なる言葉が出始めました。

 

 今さらブラック企業の定義を述べる必要はないかと思いますので、ゆるブラックとは何かを紹介します。

 

 ゆるブラック企業に明確な定義はありませんが、「仕事量は多くないけれど成長できない環境」を指す場合が多いようです。

 

 近年はブラック企業に対する社会の圧力が高まりつつあるため、あからさまなハラスメントや過労死寸前の長時間残業を強いる企業は、減少傾向にあるようです。

 

 しかしその一方で、ブラック企業から環境を改善してホワイト企業になっても、ホワイト過ぎるとまた良くないという意見もあるようです。

 

 何だか、めんどくさい世の中になってきましたね…。

 

 まあ、極端にきつくてもダメ、極端に緩くてもダメ、ということでしょうか。

 

 ゆるブラックを考えるにあたっては、「成長」という言葉がキーワードになるようです。

 

 彼らの多くは、仕事にやりがいを見出したい、成長してスキルアップしたいと考えています。

 

 それはそれで、好ましい傾向です。

 

 今は一部の大企業を除き、もはや終身雇用制が崩壊している時代ですので、人々は転職を前提に仕事選びをしています。

 

 つまり、資格なり有用な経験なりを身に付けていないと、会社を辞めて別の会社に転職しようと思っても、自分の「売り」がないと、転職市場では相手にされないのです。

 

 だから、今どきの意識ある若者が成長を見込める企業選びをするのも、分かる気がします。

 

 ただし、採用時につまらない単純作業をあてがわれ、「こんな仕事は嫌だ!」と言ってすぐに辞めてしまうのも、いかがなものかと思います。

 

 野球の世界に例えるならば、甲子園常連校の野球部に入部した「エリート選手」だって、いきなりレギュラーは取れませんよね。

 

 最初は球拾いから始まると思われます(ひょっとして、この考えも古いのかな?)

 

 最初は誰でも、下積みから始まります。

 

 その中で、先輩や上司とのコミュニケーションの中で、その仕事の位置づけを学び、いずれは重要な仕事を任されるようになるのではないでしょうか?

 

 ただし、会社側にもやることはあります。

 

 企業側は若手社員の成長予感を高めるような努力をしていかなければ、ゆるブラック認定をされる可能性があります。

 

 そのならないためには、職場のリーダーが自分の考え方をアップデートし、若手社員にあてがう仕事の位置づけを明確に示す必要があるのです。

 

 結局のところ、会社自身が成長するためには、その構成員である社員の成長に対しても、気をかけなければいけない時代が到来した、ということでしょう。