日本の全世帯のうち、年収が1000万円を超える世帯は12.6%にとどまっています。

 

 ひと握りの勝ち組といえなくもありません。

 

 でも…都市部の子育て世帯に絞って目を向けると、その印象はガラリと変わります。

 

 東京23区に住む30代の子育て世帯の年収の中央値は986万円です。

 

 区部世帯の48.6%、つまり約半数が1000万円以上なのです。

 

 この結果を、「区部の子持ち世帯は、さぞかし贅沢な生活をしているんだろうなぁ…。」と捉える人もいることでしょう。

 

 実は、そんな単純な話ではありません。

 

 (理由1)住宅費が高い

   23区の新築分譲マンションの平均価格は現在、1億円を超える

   23区では月20万~30万円の家賃を覚悟しないと暮らせない。

 (理由2)子育て費用が半端ない

   全て国公立の小中高大の場合の教育費:1000万円超

   全て私立の小中高大の場合の教育費:2600万円超 

 

 年収1000万円と言っても、手取りはせいぜい700万を超える程度。

 区部ではない地域で、子持ちでなければ、これで十分な金額です。

 

 しかし、毎月のローンを払い、子どもの教育費を捻出しなければならない、自らの老後資金も準備しなければならないとなると、とても足りません。

 

 「子供の教育費を出せるだけ、まだまし。余裕があるのでは?」と思う方もいるでしょう。

 

 我が国の平均年収は400数十万円。それに比べたら、確かにお金をもらっています。

 

 まあ要するに、こんな指摘が出る段階で、「子供は最大の贅沢品」と言われてしまう日本社会の病理現象がでてしまっているのです。

 

 平均年収レベルでは、満足に子供を産み育てることもできない。

 

 全世帯のうち12.6%しかいない1000万円世帯でも、教育費を捻出するために家計を切り詰めています。

 

 出生率が1を切った隣国、韓国でも、こんな有様だそうです。

 

 子供を産み育てられない国は、最終的に移民に頼らざるを得ないのでしょうか?