この前働いた物流センターでは、力仕事がメインのため、全員が男性でした。

 若い人もいますが、中核をなすのはおっさん連中。

 色々なおっさんがいます。

 お調子者、突然切れだす者、無表情で一言も喋らない者、物腰柔らかな者…

 

 皆、色々なバックボーンを抱えているのでしょうね。

 きっと、私のようなドロップアウトが多いのでしょう。

 (おそらく)生活は苦しいでしょうが、どこかの組織に属することなく、誰に迷惑をかけるわけでもなく、自由気ままに生きています。

 

 40代後半から50代前半の世代は、俗に就職氷河期世代と呼ばれています。

 バブルがはじけて企業の業績が悪化し、採用抑制された時期です。

 2000年前後の就職率は、50~60%。

 ちなみに昨年の大卒就職率は、97%。雲泥の差ですね。

 

 就職氷河期に採用からあぶれて仕事にありつけず、派遣のような非正規になったり、ニートとフリーターを行き来したりする人もいます。

 

 世間一般では、中年のおっさんがまともに仕事をせずにぶらぶらしたり、場合によっては引きこもっていたりする連中を見て、「甘えるな」「根性がない」とする厳しい論調もありますが、上記のような就職率を見ても分かる通り、求人が少なかったのです。本人の努力だけではどうしようもありません。

 求人が絞られた上に人数が多い世代だったのです。

 仕事が見つからなかったのを本人だけの責任にしていいのでしょうか?

 

 政府も数年前から重い腰を上げ、就職氷河期世代を採用したり職業訓練をしたりする企業に助成金を出し、一定の成果を上げたようです。でも、焼け石に水ですね。

 

 近年、中年世代が引きこもって高齢の親の世話になっている世帯が増えており、将来的に親が亡くなった後に、引きこもり者が生活苦になることが危惧されています。

 その前に、親の介護問題も浮上してくるでしょう。

 これを8050問題といいます。もう既に到来している社会問題です。

 

 私たち日雇い派遣で働くおっさん連中は、せめて8050問題を引き起こさないように、特定の組織に属することなく、日々汗を流して働いています。