いえ、久しぶりにイギリスに行ったわけではないです。
イギリスを久々に感じたという話です。
というのも、今私はイギリスのある会社の仕事をすることになってトレーニングを受けている最中なのです。
トレーニングをしてくれる講師の人たち2人は、ロンドンから来ており、毎日イギリスから持ってきたチョコレートやビスケットをデスクの上に置いておいてくれます。
チョコレートのかかったダイジェスティブビスケットを齧りながら、紅茶を飲みつつトレーニングを受けているのですが、2人のブリティッシュアクセントや、ファッション、立ち居振る舞いに忘れていたイギリス生活の記憶が呼び覚まされるこの頃です。
トイレをルーと呼び、ゴミ箱はビン。スーパーの例ではセインズベリーと話の中で出てくるのをアメリカ人の同僚たちは、ピンときていないのだろうなあと思うと心の中でくすくすと笑いたい気持ちになります。
女性の講師は、とても綺麗な人でサラサラの銀髪のボブヘア。フェミニンなふんわりとしたワンピースを着ていて
カルシウムのよく入ったとでもいうような、しっかりとした骨格をしています。
男性の講師は襟のついたシャツにセーター、スラックス。背が高くて、ちょっと内股。
ブリリアント。とか、ラブリーとかいう言葉が頻繁に出てきます。
彼は昨年、ロンドン郊外の村に16世紀に建てられた家を購入して、リノベーションをして暮らしているそうです。
その村の話を聞いているとケンブリッジの古い建物や田舎のコテージ、田園風景や白鳥などが視覚的に思い出されます。
そういえば、去年の今頃はまだイギリスのケンブリッジに住んでいたのだなあと思うと不思議です。
こんなふうにして、またイギリスとの縁が出来たことが嬉しいような、そしてどこかで当たり前のように感じている自分がいます。
こんなふうに、懐かしいと思える場所が世界のあちこちに出来るなんて子供の時には考えもしませんでした。
体は南カリフォルニアにあるけれど、イギリスや日本やスペイン、ポルトガル、ハンガリー、ドイツなどに同時に生きている自分が想像できる瞬間が時々あります。ありありとその場所の空気や空の色や雑踏や匂いが感じられるのです。
イギリスの会社のトレーニングは、来週も続くので、しばらく私の生活はイギリスづきそうです。