今さらながらなのかもしれないけれど、藤井風というミュージシャンが大好きになった。
犬の散歩に行く時にも、夕飯の後にテレビの前でまったりする時にも彼の音楽を聴いている。
今時の若者なのだけれど、見かけや声がとっても昭和な感じがする。
一番脂が乗っていた時の郷ひろみの声と桑名正博のセクシーな雰囲気がある。
それでいて、日本だけではなくて世界に通用するセンスがあって、とても素敵なのだ。
彼の曲を聴いていると、自分の若い頃を思い出す。
子供の時には、大人になったら、すごくキラキラした面白い世界が自分を待っていると思っていた。
私が子供の頃の女優さんや歌手は、とってもセクシーで大人の女性だった。
巻き毛、ハイヒール、青いアイシャドウ、口紅の赤い色。
大人の男の人も、すごくワイルドで格好良くて、いつか自分は大人になってそんな人と恋愛をして
都会的な暮らしをするのかなと思っていた。
でも、なぜか、そんな女性に自分はならなかったし、そんな男性も周りにはいなかった。
そして、気づいたらおばさんという年になっていた。
そして、藤井風の歌はなんだか、そんな幻想をまた思い出させてくれるのだ。
峰不二子みたいな女の人に私はならなかったし、松田優作みたいな男の人にも出会わなかったんだけれど
なんか、そんな世界がどこかにあるんじゃないかと思わせるのだ。