サウスウォルドというのは、北海に面した小さな港町でケンブリッジからは車で1時間と少し。

北海の鉛色の海と、暗い空と、吹き付ける冷たい風にはいつでも気持ちが荒む。

そんな中に黒い倉庫が立ち並ぶ、深い水溜まりだらけの、ハーバーがある。

その黒い倉庫のいくつかはレストランや魚屋さんで、その周りにはノアの方舟のような木のずんぐりした船底のボートが並んでいて、灰色の空に冷たい風の中、カモメが何かに耐えているかのような文句を言っているような声で鳴いている。

 

こんな惨めで、寒くて灰色の海辺にどうしてやってくるのかというと、ここの魚介類が新鮮で美味しいからなのだ。

朝から薄暗い空の下、イギリスの東部の農村地帯を走る。平らで、葉を落とした木々の枝が黒々と雨に濡れていて、たまにあらわれる村には、まるで妖精か小人が住んでいそうな雰囲気だ。

 

途中、アンティークショップに立ち寄って買い物などをして、たどりついたサウスウォルドの街を車で走っていると、あるポスターが目にとまった。クリスマス水泳!とあり、あるビーチの名前が書いてあった。

その後、海に出たら、海はコンクリートを混ぜ合わせたような色をして、浜に打ち寄せていて、少し荒れていた。重苦しい灰色の空からは小雨が降り始めていて、一体、こんな海でクリスマスの寒い日に泳ごう!ということになるのか、私にはさっぱり、、、、、、。と言うと、夫と娘がえ?そう?やりたい。などと言っている。

この人たちは、このイギリスだとか、ドイツだとか、北ヨーロッパの血が流れているせいか、私とはきっと感覚が全然違うのだと思うことにした。

 

 

冷たい風の吹き荒ぶ、港にたどり着いた。

向かうはSole& Bay Company という店。ここは魚屋さん。レストラン。テイクアウトの店を構えている。

まずは、魚屋さんに行って、スズキとホタテを買った。

そして、テイクアウトのお店で、夫はムール貝のクリーム、ワイン蒸し、私は生牡蠣とカキフライ、娘はカキフライとフライドポテトなどを注文して、車の中で食べた。

 

牡蠣は一つ2.50ポンドほどなのだけれど、すっごく美味しい。

夫のムール貝も身が柔らかくって、ふっくらとして最高だった。

レストランは予約でいっぱいだった。カニや、ロブスター、焼き魚などのメニューが魅力的。

ここのフィッシュアンドチップスやフィッシュケーキなども、美味しさに定評があるらしい。

 

地元の物だけでなく、新鮮なサーモンや、ドーバーのヒラメなどもここでは買うことが出来る。

こんばんは、買ってきたスズキの塩焼きと、ホタテのバター炒めを夕飯にする予定。

 

うふふ。ご馳走❣️