昨年の秋、英国に来て住み始めたアパートは家具つきだった。
家具のみならず、キッチンウエアなども全てあり、とても助かった。
家主が部屋を売ることに決めたとの通告があり4月に越したアパートは家具なし。
困ったことに、家具を買うにも、お店はつい最近までしまっていたので
エアマットレスで眠り、キャンプ用の椅子に座るという生活を最近までしていた。
4月の終わりにホームセンターが開いた時に、シンプルなダイニングセットを買い、6月のはじめに家具店が開いた時に、ベッドとソファを注文した。
驚いたことに、ベッドはファストデリバリーでも2週間待たないといけず、息子のベッドは6週間。ソファは3ヶ月も配達まで待たなければいけない。
知らなかったのだが、英国では、それが普通らしい。
こんな時に便利なのがIKEAとアンティークの家具だ。買ったその日に持って帰って使えるから。
先週は、車で1時間半離れたIKEAへ行くことも出来た。朝から長蛇の列で、1時間並んでやっと入ることが出来た。
キッチン用品や、簡単な本棚、息子のデスクと椅子を購入した。
他にほしい家具は、テーブル。椅子。チェスト。テレビ台。タンスである。
寝室にクローゼットはあるのだが、それほど大きくないので、ハンガーにかけない服はスーツケースに入っているのだった、、、。
これらは、アンティークショップを地道に回って、気に入ったものを一つづつ買い求める予定である。
2日前に、テーブルとチェストを購入した。
1910年から1930年くらいに作られたもの。
このテーブルは、フレンチファームスタイルというタイプの、要するにフランスの田舎で使われていたような家具だ。パイン材で、いい感じの飴色になって、装飾もなく、シンプルな家具。
このテーブルは、食事をする以外にも、絵を書いたり、裁縫をしたり、作業用としても使いたいので、この無骨な感じのまま、使いこんでいきたい。
ウィーンの市場の食堂で、こういうアンティークのファームスタイルのテーブルと椅子が使われていて、素敵だと思ってから、ずっとこういうテーブルが欲しかったのだ。
値段は108ポンド(交渉して安くしてもらった)
このチェストは、アール・デコ。だから厳密にはアンティークではない(100年以上前のものではないから)これは、中が20センチほどの仕切りに分かれているので、書類などを入れるのに使うことにした。
これは、100ポンド。
この写真のサイドテーブル、その下の木の箱、メープルのフレームの鏡、オイルランプ、小さな瓶。それらのものも、古いものたちだ。
木の箱には、靴磨きセットが入れてある。
サイドテーブルも、フランスのもので、やはりパイン材の簡素なデザイン。これは20ポンドくらいだった。
重厚で、繊細なディテールのあるアンティーク家具。豪華なアンティークの品は素敵だと思うけれど、私が日々暮らしに使いたいのは、シンプルで、軽くて、触れたくなるもの。
太陽の光にあたり、風にふれる家具。
シンプルなのに、軽やかな優雅さを感じるものが好きだ。
クオリティの良い、きちんと作られた家具は新品だったら、この値段では買うことはできない。誰かが大切に愛を持って使っていたものには、良い気のようなものが漂っている気がする。
だから、私のところに来てくれて、ありがとう。と、大切に使っていきたい。
これからも、素敵な出会いがあるといいな。