Day6 12月24日
マロさん、鳴く時間が少々減少したような気がした。
でも、鳴き始めると、あの変にドスの聞いた声が家中に響いた。
私は、まだ、マロさんをケージの中から出そうか、このままもう少し中にいててもらおうか、
と悩んでいた。
裏庭の「猫小屋」に入れることも考えた。
どうしても決断できない。
一時あづかりなら、うちの猫家族から離して面倒を見るが、
将来は、私たち家族の一員になるつもりで、保護と人間慣れ訓練を引き受けた。
だから、小屋で一人ぼっちにしたくない。

マロさんの夜中鳴き対策として、家人が耳栓をして眠ることに。
寝室のドアを締めることで随分鳴き声の漏れが解消できた。
しかし、動揺している鳴き声は止まなかった。

Day7 12月25日
「耳栓のおかげで、結構長く眠れたみたい。」
そう言って、起きてきた家人。

マロさんが私たちの家に来てまる1週間が過ぎた。
家の周りに住み着く「地域猫」さんにするための方法。
もともと地域猫としてTNRをされたマロさんなのだから、
そんなに家の中が嫌なのなら、私の家の周辺に住み着く地域猫に戻すオプションも。
S市に住んでる私の猫友さんに聞こう。朝9時私は彼女の家に自転車で向かった。
10時半、マロさんの餌やりさんで旧保護主さんから電話。
「今日これからマロさんを迎えに行く。」という知らせ。
「やっぱり私が面倒見ます。これ以上、あなたと家族の方に迷惑をかけることができない。」
「でも、飼えないと言ったから、そして、ケージから出してあげたいから、
私が面倒をみるって言ったのですよ。」
すぐにでも引き取りに行く。と言った。
大急ぎで家に戻った。

家の前に車が止まった。
マロさんがざわめきだったのは、
マロさんが一番欲していた人の声が聞こえたからだ。
「マロちゃん、お母さんだよ。迎えにきたよ。」
マロさんの鳴き声に変化、態度もそわそわ。
目の輝きまで違う。

5分もかからず、餌やりさんとマロさんは退去した。
私は、「マロさんをケージから出してくださいね。」
「Sさんとマロさんの間にはすでに強固な信頼関係ができていたのです。
私には目に見えます。」
「当初は、亡くなったご主人の書斎にケージから出して隔離してみてください。」
やる気のない返答が返ってきた。

私の家に再び静けさが戻った。
そして、私の心に大きな穴が空いた。
今朝までの1週間。毎日24時間、
マロさんの事を考え続けていた。
鳴く理由。その対処。家人、ウチの先住猫さんたち。
どうしたら、何したら、みんなが幸せになれるのだろうか?
私は、失敗した。マロさんを怖がらせ、不安定にさせてしまい。
私自身も傷ついた。自信をなくした。
今、思うのはマロさんをケージから出して欲しいだけ。

新年が明け、数日後、Sさんからラインが。
マロさんをケージから出しました。
全く問題がありませんでした。
私の家から「戻った」後、鳴く回数が激減し、ケージの中でもとってもいい子にしていたので、
試しにケージから出した。抱っこもできるようになった。
マロさん、完全家猫に変身していたのです。
私の家の1週間の「試練」がマロさんを変えたのです。
そして、一人暮らしのSさんもマロさんが居なくなって、
マロさんの存在が大きかったと気づいたのかもしれません。
とにかく、Happy Ending になったような・・・・・結末