スノーボードは、何年やってもなかなか上達しない。 それでも、毎年冬になると、私はまたスキー場へ行きたくなる。 うまく滑れなくても、旅の空気や道中の寄り道、 そしてスキー場で過ごす時間そのものが、ここ数年の冬の過ごし方になっている。
この週末は、めがひらスキー場へ。 朝の空気は冷たく澄んでいて、車の窓から見える山々が少しずつ冬の準備を始めている。
めがひらに着くと、すでに駐車場はいっぱい。 いい場所に停めたいなら、やっぱりオープン前が狙い目。
ゲレンデはにぎやかで、上級者コースには行列ができていた。 私はというと、短い初心者コースでオープンと同時に数本滑って、あとはのんびり。今年は、リフトの降り方がスムーズになってきてちょっと上達した感触を味わった。

食堂で本を読んだり、スキー場の周りを散歩したり,春になると併設のウッドワン美術館も開くので見学ができたりもする。
3Fの食堂は9時オープン。 「いらっしゃいませ!」の声とともに、香ばしいにおいが広がる。 外にはキッチンカーも出ていて、窯焼きピザを頬張りながら吸い込む冬の澄んだ空気は、格別だった。香ばしいチーズの香りと、もちっとした生地の食感。冷たい空気の中で食べると、なぜかいつもより美味しく感じるから不思議だ。 シーズン券を持っている人は、700円で汁なし担々麺や牛丼も楽しめるらしい。

売店には併設の美術館関連で販売されているのだろう猫の絵が1300円ほどで売ってあり、買うかどうか迷っていたら買いそびれた。猫がスキーを滑っている絵とピアノを弾いている絵で部屋のどこに飾ろうかなんて妄想にふけっていたら、他の誰かにもその魅力が伝わってしまったようで、次に来たときにはもう別の絵に変わっていた。「気に入ったらすぐ買う」——これも、旅の教訓のひとつ。
滑って汗をかいたら、併設の温泉へ。 とろとろのお湯に浸かって、汗を流す。
2階の漫画コーナーでひと休みもできる。
途中の道の駅で、地元の野菜や果物を買うのも、毎年のお楽しみ。
この日は帰り「道の駅 むいかいち温泉」で小粒のみかんを買った。
昨年はいちごを沢山買ったので今年は少し気分転換。
その土地の空気を、少しだけ持ち帰るような気持ちになる。
滑れなくても、ちょっと足を延ばしこうして過ごす時間が、私にとっての“冬の週末”なのだと思う。
スノボは相変わらず上達しないけれど、あの窯焼きピザの香ばしさと、猫の絵のぬくもり、そして温泉のとろみは、忘れられない温もりがある。
そして毎年冬には、島根のフォーゲルパークからペンギンさんが出張に来る。ミント君とななみちゃん。スキー場の雪の上をよちよち歩く姿は、滑れない私よりずっと上手に見える。そんな光景に出会えるのも、めがひらの冬の楽しみのひとつだ。