
イタリアでの生活は、毎日が漫画の中の出来事のようだった。
料理の勉強....という点では、あまり収穫は多くはなかったように感じるが、人の出会い、毎日のコミニュケーションという意味ではとても有意義だったと思う。
自分が小学生だった時に感じていたような、ただ楽しいから...という純粋な理由で人と人が触れ合っている、そう思えた。
日本、いや世界の先進国と呼ばれるような場所は、どこも多かれ少なかれそこで大人になっていくということは、人間関係も自分にとってビジネス上有益かそうでないかというふるいが見え隠れする。
でも、イタリアでは、自分が暮らした場所はどこもそんなビジネス上の理由よりも
その瞬間をいかに楽しめるか、そうでないかというホントにピュアな関係が残っていた。
自分が半年程働いていたサルディーニャ島北部のホテル内のレストラン、
そこにいたIvano(イヴァーノ)というカメリエーレ(イタリア語でサービスマンのこと)のはなし。
当時ホテルに与えられたいた星は4つ。
5ツ星が最高だから、高級ホテルの部類に属し、日本から訪れたら、大概作り上げられた格式に最初は圧倒されそうな雰囲気がある。でも、そんな場所でも従業員は皆いたってくだけている。
当時の自分のキッチン内での役割は、イタリア語が話せないながらも、セクションを取り仕切る役割を任せられ、下についたイタリア人コックをリードしていかなければいけない立場。
そんな自分のそばに、時々Ivanoはやってきてイタリア語を教えてくれる。
「こういう時はこう言えよ。」
「あっそういう時にね,,,こんな感じかなぁ」
単純な自分は素直に受け取り、使ってみる。
でもほとんどの場合、言葉をかけられた他のイタリア人達のリアクションが必要以上に大きい。
「ノー (ノ゚ο゚)ノ」
だとか
「ノ ネ パッシービレ(できないよ)」
とか自分の返答予定リスト外の言葉があまりに多いことに間もなく気づいた。
(Ivanoめ、あいつ、悪い言葉ばっか教えていきやがったな(`×´))
それに気づいてからIvanoにあう度に決まり文句のように
日本語で
「バ~カ、Ivano」
って言っていた。
当然日本語を知らないIvanoは笑顔で無邪気に微笑んでうなづいている。
3ヶ月程して、彼は先にホテルから去って行った。
去る時に、
「カトー、お前に会えて楽しかったよ。
何かあったらまた連絡くれ」
と自分の連絡先を渡していった。
そんな彼の連絡先、
フルネームで記された名前を見た時、
(うそっ、こんな偶然ってあるんだ....)
って思った。
名前のところには
VACCA IVANO~
ヴァッカ イヴァーノ~
「ばーか、イヴァーノ」とフルネームを連呼されてれば、
そりゃ、黙って笑顔でうなずくしかないよね。
イヴァーノ、
お前が先に仕掛けたんだかんな、悪く思うなよΣ\( ̄ー ̄;)