首相官邸前に1万人集まれば、原発は止まる。
そう断言する人がいた。
2万2000人集まった。
原発は止まらない。

官邸前に2万人じゃ足りない、せめて5万人集まれば原発は止まる。
ことばを変える人がいた。
10万人集まった。
原発は止まらない。

大飯原発正面ゲートのトンネル前
1万人集まってほしいと願っていた
実際に集まったのは
おそらく延べで700人?
500人だと言う人もいる
私は700人くらいはいったと思う
どっちにしろ
1万人なんてほど遠い
それはわかってた
1万人集まってと呼びかけて
1000人集まってほしい
それが本音
だけど
1000人も集まらなかった
大飯は
遠かった。。

1000人あそこに集まっていたら
再稼働は止められた
いまも本気で信じている人がいる

もし3000人いたら
トンネルまで人で埋まって
再稼働は止められた
一昨日もそんなことを耳にした

そうかもしれない

だけど私は
どうかなと思ってる

もう
人の数じゃない気がしてる

昨日は代々木に17万人集まった

去年の9月の同じ集まりのとき
駅のホームが人で溢れかえっているのをみて
ああこれはすごいことが起きている
これで原発は止まる
止まらなかったらおかしい
私は思った
IWJの中継を手伝いながら
何度も呟いていた
これで原発が止まらなかったらおかしい
私は感動していた
ひとりひとりが集まって
この人数
6万人が
集まった日

だけど
何も変わりやしない

国会を人の鎖で包囲する
ことしの3月11日
続々と集まるひとりひとりの姿に
私は感動したし
これで
今度こそ
原発からの脱却が始まると
思った

何も
変わりやしなかった

もう
人数でどうなるって言う人のことば
私は聴いても流してる

持続することは
大切
それが力だと思う

それは
そう思う

いまの状態が1年…2年…何年?
続けば変わるのだろう

数字はもう
私は聞き流す
いちいち脱力したくないからね
そんなところに気力を使う余力の持ち合わせはもうほとんどない



エッジは新しいエッジを生み出し
私はあっちやこっちに落っこちてしまわないように
必死で消化していくしかないみたい。。

あのとき私は
誰かが逮捕されるなんて絶対にイヤだと思っていた

人に犠牲を強いた上で成り立っている原発を
誰かが強烈な痛い想いやイヤな想いをしたり
誰かに犠牲を強いた上で止めたとしても
それは何か
違う
と思った

犠牲だなんて思ってないよ

それもわかってる

だけど
私はイヤだと思ったんだ。


あそこは不思議な空間になった
誰も何も言っていない
自然発生的に音楽が生まれ
見えない大きな球体に包まれたみたいに
いま感じていることが私の意識なのか隣にいる誰かの想いなのか

非暴力を死守しよう
なんてこと
話し合ってもいない

音がいるね
なんて誰も言ってない


いきなり始まったわけじゃない
流れ
があったんだ
私は知らなかったから
なかなか信じきれなかった
信じていたけど
信じきれなかった

流れ
はあったし
流れ
に身を委ねた
毎日、知らない人に会った
初めて会う人ばかり
疲れなかった
まんまでいたら
流れの中にいた

いつの間にか
信じきっている
当たり前みたいに

遥かに
超えていた



私の覚悟は
きっと
いろんなものを取っ払って
自分の気持ちに素直でいること
まんまでここに居きること
それだけだったと思う

だから誰にも
捕まってほしくなかった
大切だから
自分だったらそのときはそのときだけど
本気の覚悟が伝わってくるから
私は怖かったし
守りたかった

百戦錬磨の人たち相手に
笑っちゃうような話だけど
最初に会ったときは正直内心退いたりもした
なんというかコッテコテな方に対しても
守りたいって
私は本気で思ってた



結果として
止まっていた原発は
再び動き始めた



ある人から言われた冷静なことばが
ずっと心の中に垂れ込めている

ずっと
垂れ込めている

私の甘い認識は
”記念品”の重さに
破れていく



破れてふさがって
破れていく

犠牲を誰かに回さない





あーーーーーもうっ。。。

柔らかかったり気づきあったり
甘やかだったりする静かなときに
私は生きていたいよ…






本気が伝わり
人を動かすのを見た

本物の伝播は
ただ
伝わり
人を動かす

ことばは必要なく
震え…
空気の振動
熱を帯びた波動
ただ
伝わる

人の心の
立ち上がるのを見た

何度も

奪われたままでいる
おそらく私は
乗っ取られている

息をのむ
ある時点で
話を聞いている人は深いところを衝かれたように息をのみ
ことばをのむ

空気の質量が
変わる

そんなのを見た
何度も

私は奪われて
戻ってこない

目の前にいるのにすごく遠く
姿は見えないのに隣にいる

声は聴こえない
何をことばにしているかは聴こえている

奪われたものは
いまどこにあるのだろう
それは私であって
私ではない

は消えてゆく?
私の輪郭は
グラデーションを描き始める

鼓舞するように
歌っていた
掻き集めるように
一点を見つめる

ことさら
戻りたいと思っていないことに
気づく

新しい始まりが
始まろうとしている?

私は奪われたまま
戻ってこない