何も言わずに
後ろから支えてくれる友がいる

黙って
ただ手を伸ばせば届くところに
じっと立っていてくれる
何も言わずに
ただじっと待っていてくれる

どれだけありがたいことか
どれだけ心強いことか


逆のこともまた見える
知りたくなかったことだけど
そうだったのかとわかること

思うところは山ほどあるが
私がされてイヤだったことは
いまはすまいと決めた
決めた

新しいことばの使い方を知る
新しい意味の含まれていくことを知る


大事なものだけ掴み取ろう
大切なものを見つめていよう

黙って立っていてくれる友
いつの日か
私も誰かのそんな友でありたい






背中を見ていた

あの場にいる間
あの時うまれていたもの
私はずっと
背中を見ていた

信じたくてケンカみたいにもなったし
信じたくて泣いたりもした

だけど本当は
簡単なこと

信じたいなら
信じればいい

ずっと
背中を見ていた

雨が降って
体が冷えて
音楽は続いた

そばにいれば
いつだって体温は伝わってくる

最初は自分の取材をしたくて
自分のことばで伝えたくて
自分のことを思ってた

だけど本当は
簡単なこと

いまいちばん大切なことは何?

最優先したいことが見えた
自分のことばで伝えるなんて
きっと
いつだってできる

いまは
いちばん大切な人を守って
いちばん大切な人のしたいことを
いちばん大切な人のしたいように

ずっと背中を見ていた

ことばはほとんど交わさない
私にはいつだってことばが必要だったりするけれど
それでも伝わってくるから
ことばにはならない
ことばにはならない…

結局
私は何もしていない
それはよくわかってる

ただ
信じた

もし自分に何かあっても
そのときはそのときのこと
別にそれはもうどうだっていい
ただ
心配だった
だから
そばにいた
信じて
願って
祈っていた

私の信じた仲間のほとんどが
ふだん何をしているのかなんて知らない
いまこの場での信頼
それだけのこと

一切の揺るぎのない
当たり前のようにそこにある信頼
だから
あそこに私はいられた

内と外になったとき
ひとりひとりの顔が浮かんで
たまらなかった
いつ会えるの?
昨日みたいに
すぐには会えないの?

信じて
祈った

音楽は鳴り止まず
声は止まらない
空気は震え続け
空にはきれいなお月さま

私の信じた背中は
翌日の夜にも目の前にあり
動じず
そこにあった

すべてがまだざわついていて
私の中に根ざしてない

わかったことだけ
わかったことだけ

いざというとき
自分自身の中で信頼できる部分も見えたし
自分の信頼をよせた者を信じきる揺るぎなさも知った
見方の変わってきているものもある

settle down
settle down

ことばには
まだ
ならない







昨日の首相官邸前
原発再稼働に反対する人が押し寄せ
声が響き渡り
空気は震え続けた

野田首相は「国民生活の安全のため」
必要だからと大飯原発の再稼働を決めた、そうだ

認めない


うそばかり
並べていた

首相官邸前に集まった人たちは
スピーカーから流れる
ラジオによる首相の記者会見を
聞いていた

私はiPhoneでUstしながら
うそばっかり
うそばっかり
呟いていた
笑ってた
あまりのことに
笑ってた

ひとりひとり集まった人たちは
ひとりひとり声をあげ
それぞれの理由や想いで
再稼働反対を求めていた

あの声は暗闇に消えるだけ?

6月半ばから
首相官邸前の歩道は
工事に入るらしい

ばかばかしい。

呆れているのか
悔しいのか
苛立ってるのか
よくわからない
ぐったり
疲れていた
私の知らない地球に彷徨い込んだみたいに
いろんなものが分裂しそうになる

今朝起きても
鬱々としたまま
身体には疲れが充満してる

このままでは
こんなバカな道理で
原発が
また動き出してしまう

ため息で疲れを追い出そうと大きなため息をつき
水で疲れを洗い流そうと何杯も水を飲み

ふとつけたテレビに
鼻の奥がつんときた

澤穂希選手のことばが
何かのCMで流れた

「苦しいときは、私の背中を見て」

なんていうことだろう
澤選手は
自分が苦しいときはどうするのだろう

「苦しいときは、私の背中を見て」

どんな想いを積み重ねてきての、このことば
何度胸をつぶしたのだろう
何度自分を見捨てかけたのだろう

私はいつも
見つめる背中ばかり探してる
ついていきたい背中を見つけて
たまには慰めて欲しいとすら思ってる

今日なんてまさにそう
私はすごく
励ましてほしかった
少しでいいから
甘やかしてほしかった

「苦しいときは、私の背中を見て」

覚悟のほどが違いすぎて
今生ではとうてい間に合わないね。。


再稼働はさせない
止める

そのための力が今日は底をついて
ため息ついて
水ばかり飲んで
今日だけ
少し
お休みしよう

また内側から
立ち上がれるように

先を歩いていくあの背中を
追いかけていけるように

今生では
きっとそれが
私の精一杯

見ている背中が倒れそうなとき
全力で支える、見えない力で
当たり前のようにあるのは
その覚悟だけ