いつもと違う鳥のさえずりで
目が覚めた
しばらく目を閉じたまま
耳をすます

若い声

太陽の位置がいつの間にか変わり
カーテン越しに感じる光は右へ右へと眩しくなっていく

若い葉の発する気体は柔らかく
固い幹の悦びを伝える

ビー玉を水の中に落としたり
ビー玉で太陽を散らしたり
光の跳ねる季節がやってきた

洗濯物の乾きが早くなり
カレーが美味しくなり
昨日食べたサラダのキュウリが瑞々しい

新しい帽子が
できあがる

若い人参が灯のように並んでる

部屋に入れていた鉢をベランダに出し
遊びにくる猫がたまらずあくびをし
お風呂は花のように匂いたつ


これから桜の咲く空は
何一つ変わっていないのかもしれない
何一つ終っていないし
何も安らかになっていない

だから始める
いつからだって始まる

失いたくないもの
守るもの

奪わせない

新しい季節




誰にも影響なんて与えたくないし
誰の影響も受けたくない

10代のころかな
一生懸命、考えていた
もがいてた

私は
好き嫌いで生きよう

思ったのは20歳のころ

すっと楽になったし
面倒なことも増えた

とりあえず
常識
っていうものからどれくらいのところに自分がいまいるのか
その距離感は忘れずに横目で眺めていようとも思った

誰にも命令されたくないし
誰にも命令なんてしたくない

誰にも使われたくないし
誰も使ったりしたくない

いろんな異物がくっついてきて
ちょっと窮屈になったりもする

好き嫌いは
激化の後(笑)
それを美しいと思うか思わないか
が加わって
自分の中では
再び少しラクになった

エラソーにされるのも
相手によってこちらの受け止め方は違ってくるし
自分に何ができますかと
相手に委ねることを識った

流れに寄り添うことも
覚えた

影響受けまくりだし
揺れまくりだし
解放しまくり

いま心惹かれているものは
本当に私自身が望んでいることなのかどうか
そんなこと
わからない

ひとりでは成り立たないこと
っていうのは
わかってる

それだけでいいんじゃない?

考えること

感じること

考えて手放すこと

ぎゅうぎゅういつだって
もつれて固まって
ゆるんで光る

だんだん
面白くなってきてるよ



いっしょにいるとすごくラクで
楽しくて
安らげて
何もいらないこと考える必要なくて
すっかりほどけて
温泉に入ってるみたい

そんなふうに自分が感じるとき
相手も同じような感じだったら嬉しいなって思う

友だちの顔が
だんだんほどけていくのを見ると
私なんかはウへへとものすごく嬉しくなる

すっかり油断してあくびなんかしていたら
白い目向けつつおかしくってたまらない

滅多に会うことなくても
大丈夫な人がいる
いつ会ったって
いま会ってる感じにすぐなれるから

それでも私は相手が誰だって
会った瞬間ちょっと恥ずかしくて
どこかちょっと緊張してる
最初の時間はもぞもぞしてる

ほぐしてくれるのは
並んで歩いてるときの空気とか
相手のリラックスしてる表情とか
話が盛り上がって大笑いした瞬間とか…

ずっとほぐれないままご飯食べてお茶したりするのは
なんとなく
心が離れてる感じ
そんなとき
相手も心が離れてる感じがしてるのかな
そんなとき
すごく楽しかったよ
なんて言われると
なんだかものすごく申し訳ない気持ちになる

そしてそれは
私がくつろいでいるときに
いっしょにいる人は心に距離を感じてるのかもしれないという
余計な不安のしっぺ返しをつれてくる


ま、気が合うっていうのはそういうこと
無意識のうちに
きっと同じときに同じくらい
楽しんでいたりくつろいだりしてるんだ

自分の直感を信じる以外ないものね

自分の気持ちを信じる以外何がある?

午後から
頭が痛くなって
滅多に頭痛なんてしないから
気持ちが参ってしまって
だけどそんなとき
穏やかな空気を届けてくれた

不思議なものだと思うよね
場所とか距離とか何とかとかかんとかとか
きっとまったく関係ない

飛ぶし
残ってるし
通じるものは通じてる

聴こえる

不思議な感覚
すごく
大切
たからもの