国語の記述対策
記述問題への対策が合否をわけるポイントになりそうです。(国語だけじゃなく、理科、社会も・・)
時間を測って行う過去問の中でも頑張ってもらいますが、それだけでは足りなさそうなので別枠でも練習していきます。
志望校、併願校、その他・・の出題傾向を見ていくと、こういうことが聞かれています。
- …に関するあなたの考え
- …について、あなたの体験を踏まえて考えを説明しなさい
- …を具体的に説明しなさい
- …の良い点、悪い点を踏まえてあなたの考えを説明しなさい
- …なぜこの問題が起こったか、それに対する解決策としてあなたが考えることは?
- …を要約しなさい
などなど。
トリッキーな問だと、「本文中にある『魔法の時間』について、あなたにとっての『魔法の時間』とはなんですか?」なんてのもありました。
ただ、質問形式はともかく、基本的な型ができていれば、ある程度対応できると思います。
「問題(課題)」「解決策」の枠組みで捉える
最もわかりやすいパターンでは、
- 問題(課題)
- 解決策
「問題」とは、言い換えると「悩み」「困っている」という表現にもなりますから、そういった箇所を見つける。
「解決策」とは、「提案しなさい」「アドバイスしなさい」という質問だったとしても同じですから、類似表現に置き換えて考えてみる。
このように、要旨から外れない程度に自分が理解できる形に言い換えられるか?が一つのポイントになると思います。
提案、アドバイスするということはなんらかの「課題・問題」があるわけで、まずは「課題・問題」を探す。整理する。
それを裏返した状態が「あるべき状態」、つまりそうすることが「解決策」。
具体的にいうと、
・問題:お腹が痛い
・解決策:お腹が痛くない状態にする = 腹痛をなおす (原因に対する対処としては、「そもそも腹痛が起こらないようにする」)
設問が、「100文字で書きなさい」、ということであれば、ざっくりとに分割して50:50で課題、解決策を書くようにします。
それに該当する内容を持ってきて文字数がいい感じになればよし。
文字数が足りなければ、それぞれの箱の中で
・抽象化で要点(一言)まとめ
・具体例
として書くようにすれば良いです。
- (50) 問題 : 一言まとめと具体例
- (50) 解決策: 一言まとめと具体例
この考え方は、文字数が150とか200文字になった時に特に有効ですし、文字数をコンパクトにしたい場合も必要な考え方です。
受験対策としては、いろんな文章、質問形式に慣れることも必要です。
しかし、文章のコンテンツに関わらず、似たような文章構成で処理できるものも多いので、課題ー解決のフレームワークで処理できる文章を探し、ひたすらそれに沿って書く練習をしていくことで、色々なパターンに対応できるようになっていくと思います。
なお、「書く」以前のスキルとして、【何が問題か?】を明確に定義づけできること、探せることが必要です。
例えば、上記の「お腹が痛い」について、こんな文章が例文だったとしましょう。
「太郎君は、昨夜食べた辛い麻婆豆腐が原因で、お腹が痛くて、辛くて、我慢できずに泣いてしまいました。」
問題を、「つらいこと」「我慢できなかったこと」、「泣いたこと」、としてしまったら・・・、解決策が変わってしまいます!
文脈的にはそれが正しい場合もあるかもしれないのですが・・・。
結局のところ、『あるべき理想の状態ってなんだろう?』
それに対して、『何が問題なのだろう』
ということを考えられるかどうか。
『受験を成功させる』ことが理想である、という観点でみると、親が考えたスケジュール通りに勉強をこなさないのは「問題」です。
しかし、『親の意思を超えて自立する』のがあるべき姿であるとすれば、自分の意思を持っていることは正しく、言いなりになる方が「問題」です。
よって、本文全体のメッセージがなんなのか、設問で問われていることが何なのか、という観点で「問題」と「解決」をきちんと対応させるように考えなければなりません。
なお、「問題(課題)・解決」のように整理できる構造としては、目的・手段、原因・結果、などもありますね。
理科だと特にこの形式が使えそうですが、別の機会に書いてみたいと思います。
練習する
池上さんの著書の一部を用いて、練習してみました。
実際の入試で満点がもらえる文章であるか?というところまではみていません。
論理構成が正しければ、少なくとも50−60%は取れると思っているので、そこを外していないかどうかを中心に見ています。
「受験国語」としては、文章に含まれるコンテンツを拾って書くことが期待されていることも多いので・・、情報の優先順位として「それ必要か?」と思うことが私には多いのですが、受験的に正しいとされることは塾の勉強などを通じて学んでもらえたらいいかなと思っています。
ただ、そこに意識が行き過ぎると、論理的な構造を捉える思考力が育たないと思っていますし、難易度の高い文章を読解する力になりません。
なお、前回アップした記事、学園祭におけるエピソードでも、
娘との会話の中で「何が問題だと思う?」「どうしたらいいと思う?」というのを尋ねていますが、こういった問題解決型の思考力を養うためのものです。