バガボンド/井上雄彦 | 元漫画少女の雑記帳

バガボンド/井上雄彦

   

左から宮本武蔵・佐々木小次郎・小次郎幼少時



面白い!面白いとは聞いていたけど、なにしろ長くて

なかなか読む決心がつかないでいたのを、古本屋さんで

状態が良くないからと激安で出てたのでお試し感覚で

買ってみた。(17巻までで1000円以下でやんした。

その状態はそこまで悪くも感じなかった。

いたずら坊主のいる家の本たちはもっと状態が悪いさ。ふ)


手に入れるまで・・・

「バカボンド」・・・その名前はっと。へへへw

バ「カ」ボン だと思ってました。





いやあ!面白かったです。


個人的には有名な武蔵よりも、小次郎の特に赤ちゃんから

少年時代の話がとても好きで好きで読み返してしまいます。

1人の元剣豪が死のうと海へやってきて見つけた

小船に乗せられた生まれたばかりの赤ちゃん。

母親は力尽きており、父親は彼の元弟子。


人生なんてもう知るか!と思って世捨て人になってた

おじさんが、時には自信がなくなって捨てかけつつも

近所の人に助けられながら育児をやり遂げるという

エピソードは泣けた。

そのご近所夫婦がまたいい人なんです♪


しかも子供は耳が聞こえない。

それに気付いたのは既に4才になった時。


今まで俺は何をやってたんだ!

今まで自分の事しか考えずこの子を見ていなかった!

俺のばかやろう!


と、何年も子供の障がいに気付けなかった自分を責める

ところが・・・泣けた。

だけどその聾唖者である小次郎に字を教え、なんとか育て

あげ、村で恐れられていた狼藉物を倒してやっと村の

人たちに迎えられて、そして子供も大きくなって・・・・

なんてとってもベタではありますが、好き!とてもいい!

家の壁中に貼った「ことば」の紙が親の愛を感じます。

その紙に書いた言葉も初めはひらがなだったのが

大きくなると漢字になっているから小次郎も頑張ったのねと。

そう思うのは自分も親になっちまったせいでしょうか。



そして読んでいてふと思い出したのが・・・

弟子と師匠、もっと強くなりたいと渇望する気持ち、

自分は強いんだ!と調子に乗ってしまうところ・・・。

達観した落ち着きの有る老師匠・・・・



コーホーコーホー・・・




そもそも「スターウォーズ」の土台は時代劇なのですが

この「バガボンド」を読んで改めてそうだなと思い知らされ

たのであります。

もしスターウォーズの世界に武蔵がいたら、強さへの執着

ゆえにダークサイドに堕ちていくんだろうかと考えちゃったり。

年老いた凄腕の剣豪たちはヨーダに見えてくるし。

小次郎はなんだろうな。なんだかんだと大切に育てられて

きたから素直だし、私的にはルークと重なった部分が

多かったです。


他にも幼なじみで相思相愛の「おつう」の天真爛漫さ、

なかなか進まない恋愛エピソード、次から次へと出て

くるむさくるしいおっさん・・・いや、剣豪・・・と

なかなかいい出来になっています。絵もとても上手いし。


ちなみに今の所27巻まで出ており、まだ残念ながら?

未完の状態です。



そしてきっと最後まで読んでしまったら・・・巌流島に

行ってしまうんだろうな。近いし。

そして調べてみると(宮本武蔵佐々木小次郎

二人とも巌流島(山口県下関市)の他、九州にも

ゆかりの深い人物だったんだなーと。

そういえば良く犬の散歩に行ってた公園にも武蔵・小次郎

の碑があり、単純に巌流島が見渡せるからだと

思ってたんだけど、武蔵の養子が残したという小倉碑文

そのものがあった公園でした。

考えたら武蔵のドラマが放映されていた頃に、あの狭い

道を観光バスが良く通ってたなと思い出したりして。


ま、小倉駅からでもタクシーやバスもあるし、割と近いので

宮本武蔵ファンの方はようこそってところで締めましょうかな。



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「秘密」・・・・2巻で挫折した。。

また「竜の眠る星」「月の子」のような

キレイなお話も書いて欲しいもんだ。

秘密はもう内臓でまくり・・・。ううう。