火の鳥 鳳凰編 | 元漫画少女の雑記帳

火の鳥 鳳凰編

火の鳥(4(鳳凰編))   人生って儚いもの


「火の鳥」シリーズで2番目に好きなものはこれです。

(1番目はやはり黎明編)

2人の男と2人の女

2人の女たちはどちらも不思議な存在として描かれています。
速魚は化身、ブチは最後の方では本来なら存在しない

ものとして。
彼女たちはそれぞれ男たちの人生に大きな意味を遺します。

男たちはというと生身の人間です。

生まれた日に父親と共にガケから落ち、片腕と片目を失い

父親は転落死、母親は発狂。
村人たちに差別され育ったせいか、身も心も荒みきった我王。

そして特に不自由なく育ち、彫刻家としての才能を伸ばす茜丸。

特にこの2人の男たちの半生を重点に置き、鳳凰(火の鳥)と

絡ませて話は進みます。


「輪廻転生」がこの話の重要なテーマの一つなのですが
人の世とはなんて儚いもの。
この本を読んでいると頭の中で中島みゆきの「時代」が

ずっと流れていました。
巡り巡っていくんですね。命って・・。

そういう大きな・・大きすぎる世界と対比しての2人の男の人生。

野望に燃えた男が失った純粋な気持ちとあっけない死
野望を捨てた男が得た純粋な無欲と長い生

それをただ見つめる大きな存在・・火の鳥。


どうせ儚いものなら打ち上げ花火のように派手に咲いて散る?

それとも線香花火のように地味に咲き続けポトンと散る?


いろいろと考えさせられた哲学的な1冊でした。

この話はアニメ映画にもなっているので、興味のある方は

原作とあわせてどうぞ。ほぼ忠実にアニメ化されてますので

安心して観られます。


火の鳥(4(鳳凰編))

火の鳥(4) 文庫版

火の鳥 鳳凰編 火の鳥  鳳凰編 アニメ版

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