パイド・パイパー | 元漫画少女の雑記帳

パイド・パイパー

 人間の形をした悪魔・・


タイトルとなった「パイド・パイパー」とは、まだら服の

笛吹き男という意味だそうです。

中世のドイツでネズミが大発生し困っていた時にまだら服の

男が現れ、「お金をもらえたらネズミを退治する」と持ちかけ

その約束は成立。男は早速笛を吹いてネズミを操り

川に溺死させた。ところが市民は約束を無視して男にお金を

払わなかった。怒った男はまた笛を吹くと、今度は街の子供たちが

操られそのまま帰ってこなかった・・という伝説より。



山岸凉子さんが描く狂った人間は恐ろしい。

なぜか物凄くリアルに感じる。なんでだろう。


この「パイド・パイパー」は「闇の果てから 」同様、幼女誘拐・

殺人事件をテーマにしたものなのですが、「闇の果てから」

の方の犯人はまず気持ち悪さ故の不快感を強く感じました。

きっと犯人の異常な私生活や犯人の気持ちなんかも

多く盛り込んでいたからでしょうか。
そして「パイド・パイパー」の方は、短編だから、

(闇の~は文庫版で全3巻)

そこまで心理描写をするスペースがないというのもあるかも

しれないけど、短いページ数の中で最後の最後に出てくる

狂った犯人の表情がとても恐ろしかったです。

主人公は2人の子供がいる主婦で、23年前に妹が連続幼女

誘拐殺人事件の犠牲者になっている。

旦那は社内不倫が会社にばれて、地方に左遷。

その左遷された先が彼女が幼い頃過ごしていて、妹を

殺害された場所だった・・・。


更に転居してすぐにまたも幼女誘拐事件があるのを

テレピの報道で知り、妹のことを思い出す彼女。


そしてある日、仕事中のはずの旦那が浮気相手と

観光地へ向かっている所を偶然目撃してしまう。

そして帰宅してみると、4歳の娘が行方不明。

今もこんな事件は決して少なくありません。
「闇の果てから」の犯人は性的異常者・・いわゆる

ロリコンでした。自分だけの天使を探し、ビデオカメラに

その姿をおさめ、そして誘拐。恐がるから天使じゃないと

殺して捨てる。。
「パイド・パイパー」の犯人は、23年前はそんな感じだった

のかもしれません。しかし、その後一族により幽閉され

本当に発狂してしまった男。

どちらの話も不快感のある事をテーマにしていますが、

最後は少しだけ救いを残しています。
その救いが良心的に感じますが、現実は救いさえありません。

どうしたらこんな事件がなくなるのでしょうか。。。


パイド・パイパー ( 著者: 山岸涼子 出版社: メディアファクトリー )



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