麒麟館グラフィティ~二回目の結婚 菊子 | 元漫画少女の雑記帳

麒麟館グラフィティ~二回目の結婚 菊子














今回はネタバレ要素盛りだくさんなので、まだ未読の方は

無視して下さい。
結末知ってから、改めて読むというのもオツなものだけど、

麒麟館は是非最初からのゴタゴタを読んで、宇佐美の言動に

妙と一緒になってブチ切れてから、最終話を読んだ方が、

感動も何もかも違ってくると思うのです。





菊子の一度目の結婚は自分の意志など全くありませんでした。
たまたま隣に住んでいた大学生に見初められ?
家の深刻な事情もあったということで、あれよあれよと
気付いたら結婚してたっていう感じでしょうか。

それにちゃんと「愛」もあったのなら、誰もが納得する
でしょう。とりあえず「愛」っつーもんは途中で変化も
するもんだから、宇佐美が暴力を振るう前に、そんな
幸せな時間もあれば、まだ菊子は「自分に気付いて欲しい」
なんて思わなかったと思う。
だけどこの結婚にはそんなもん最初から存在しなかった。
元々菊子がおとなしいウブな少女だったこと、
そして菊子の実家の複雑な事情を利用されただけ。

結婚当初から旦那は海外赴任の上にそこで女の人と
暮らしていたのも会社の人に見られている。
更にその相手は宇佐美の従妹。

正直この従妹が改心したのは感動であり、現実には
あり得るのかな?とも思ったけど、そこは漫画なんだし
これで改心もクソもなかったら、ますます菊子は報われない。
そんなのも嫌だし、いいことだとしてよう。

宇佐美の言う「口答えしたから殴った」も、オイオイだよ。
そんな程度で殴ってヨシなら、一体どの位の奥様が
殴られているんだろう。普通は殴らないよ。宇佐美さん。

結局冬の夜も菊子は殴られ着の身着のままで飛び出した。
その結果道端で発熱し倒れたところを妙に発見されたん
だけど。もし見つけたのが妙じゃなかったらどうなって
たんだろう。救急車呼ばれて宇佐美に連絡がいって?
そうなると「恥をかかせた」とまた殴られそうな・・。

前回、結婚とはゴールでもないし、イコール幸せという
ものじゃないのを漫画に書いているとかいたけど
二度目の菊子の結婚は「幸せ」なものと描かれている。
だけどそこに行き着くまでの多大な困難を読んだから
本当に偽善でもなく、祝福できる。
そしてこれこそが本当の結婚なんだと思う。

新しい夫となる美棹は菊子と出会った当時、貧乏学生で
菊子は憧れの存在でしかなかった。
菊子も全く意識してなかった模様。
美棹の中ではさっさと好きだと言いたい気持ちもあるけど
なにしろ相手は別居中とはいえまだ人妻。
その旦那も性格はアレだけどエリート中のエリート。
自分なんか到底敵う相手でもなかった。

だけど菊子さんが好きという気持ちはつのるばかり。
学校で「好き」だと女の子に言われても、「好きな人が
いるから」と断る始末。
菊子にやっと好きだと言えても「自分は結婚してるから」と
振られてしまいとことん落ち込む。
だけど負けないのは彼の父親譲りの根性なのかも。。
振られても「諦めませんから」とサラッと言いのける。
もしそれが美棹じゃなかったら、ただのストーカーか。
でも不安定な気持ちに押しつぶされる菊子をぎゅうと
抱きしめるシーンは本当に泣けた。
本当はこういうのはアンタの役目なんだよ。宇佐美さん。

この2人がようやく結婚した。
誰からも祝福を受けて。
結婚式のシーンで泣けた漫画というのも実は数少ない。

その後のふたりの生活については何も書かれていないけど
きっとずっと幸せに暮らしているんだろうな。
道端のたんぽぽのような菊子と、それを踏みつけず
優しくいたわる美棹。

激しい荒波を乗り切った結婚って幸せも続きそうな予感。