薔薇のために/吉村明美 | 元漫画少女の雑記帳

薔薇のために/吉村明美

ゆりちゃん誰にだってコンプレックスはある。悩みだって悲しみだってある。

たとえそれが薔薇のように美しい人であっても、そうじゃなくても。


両親がおらずおばあさんに育てられていた「ゆり」。

そのおばあさんが亡くなった時、初めて母親の名前を知る。

彼女は有名な女優だった。

その母親の家で暮らすことになり、いそいそと向かうんだけど

異父兄弟たちは全員美しい。男も女も薔薇のよう。

とげがあるのも・・・・薔薇のよう。

ついでに父親はそれぞれ別人。

あとでゆりと弟の葵だけは父親が一緒だとはわかったけど。


吉村明美さんはつくづく美しい人を描くのがうまいと思った。

前作の「麒麟館グラフィティ」では初期と後期は絵が

全然違うんだけど、こちらは最初から美しい絵。

「ゆり」の姉・兄・弟の綺麗さってば・・・。

でもそんな彼らだけど、それぞれ悩みやコンプレックスもある。

弟は中学生まで父親のもとで暮らしていたせいか、兄に

恋してしまっているのが密かな悩み。
その兄は大学時代に恋人を病気で亡くしてからは

今もそれを引きずっている。

姉は母親に反発しながらも離れなれない自分に

コンプレックスがある。

ついでに「ゆり」は体型が思い切りコンプレックス。

更に兄が初恋(と言っても映画に出ていた彼が綺麗で

印象にずっと残っていたという感じ。)の相手と知り

男として意識することに。当然相手にはされない。

ただ、兄の酒癖により一緒に寝てはいるんだけど。

本当に不思議な兄弟たち。

彼らの心の成長に思い切り感情移入してしまいました。


吉村明美さんの代表作って薔薇なんだろうか?

それとも麒麟なんだろうか??

個人的にはやっぱり僅差の差で「麒麟」に一票。



「薔薇のために」全16巻セット