わたし、優は


ごくごく普通の会社に勤めている。






周りの人からは


「ご令嬢の優さん!」


「天然w」


「ステキ~」


なんて言われる。






確かに父は我が社の社長、


弟の慶は次期社長。



特別なことだなんて思ったことはなかった。


だから私はいつも全力で皆と接している。






「ねぇねぇ、昨日の○○観たぁ~?」


「ちょw魂抜けかけてるわよw」


「(イケメン社員に)お金貸してほしいな♪」






こんな私を


『太陽のような存在』


という人がいる。



私は別に意識しているわけではないが・・・。



弟の慶はちょっとのんびりしてるし、


お昼ご飯を一緒に食べることが多い真央ちゃんは悩み事があるのか

最近はボーっとしてるし、


私と同い年のトモちんは泣き虫で、・・・。






こんな人が周りにいれば


自然と太陽のような存在になるわ!


なんて自分につっこむ事も珍しくない。






でも私も普通の人間。



時には何も、誰も、照らしたくない気分になる時だってある。






実家で飼っていた柴犬のマロ助が病気で亡くなったり


前々から気になっていた人に告白したら断られたり


仕事でミスが続いたり、・・・。






このような事が続けば


さすがに私も落ち込む。




『太陽のような存在』


と言われる私も雲隠れしたくなる。






『太陽の雲隠れ』が数日続いたある日。


後輩社員が私に声を掛けてくれた。



「優さん、最近元気ないみたいですけど大丈夫ですか?」


「・・・大丈夫だよ!」


「私、以前落ち込んでいた時、優さんに励まされて・・・。それで元気もらったんですよ!」






お昼時、トモちんからも言われた。



「優ちゃんは我が社の太陽なんだからさ~」


「・・・。」


「笑顔でいこ!」


「うん・・・。」


「そりゃあ優ちゃんも雲隠れしたい時はあるよね。」


「・・・。」


「いいよ、雲隠れして。その代わり、今まで優ちゃんからもらった太陽のようなパワーを私たちからあげるから、ね!」



自然と涙が出てきた。


そんな私を見て、トモちんも泣き出した。



「トモちん、なんで泣くのよw」


「だって・・・優ちゃん泣いてるんだもん。」


「笑顔でいこ!って自分で言ったでしょw」


「うん、そうだね。」


「ったく、トモちんは泣き虫なんだからw」


「えへへ、やっぱり、優ちゃんは『太陽』だ♪」






仕事が終わり、相変わらず魂が抜けかけている真央ちゃんをつかまえた。



「真央ちゃん、どうしたのよぉ!元気だしな!」


「うぅ、優さんの太陽パワー、まぶしすぎる。」


「何いってんのよ。これが私なんだから!」


「いつになく元気ですねぇ。」


「ちょっと雲隠れしたらスッキリした☆」


「『太陽の雲隠れ』ですか。」


「そ、真央ちゃんもやってみたら?」











私は仕事仲間、家族、友達、・・・。


あらゆるものを照らすために、時には雲隠れする。


そんな時は皆が太陽となって私を照らしてくれる。






でも・・・


やっぱり私は皆にとっての太陽のような存在。



元気を与えてなんぼ!


雲隠れしっぱなしなんて性に合わない!



雲隠れから出てきた私の周りには笑顔が絶えない。






そう、私はこの先も太陽のような存在なのである。