コロナウィルスの影響でマスクや
食毒用アルコール
入手困難になってきています。

アルコールにも色々ありますが
ここで紹介するアルコールは
飲むためのものではないアルコールです。

一般に消毒用として販売されるものは

絵 http://www.alcohol.jp/ より

消毒に最適なアルコール度数が
76〜82%の範囲のものとされています。

更に商品としては
・製薬会社が作ったもの
・酒類製造会社が作ったもの
などがあります。

多くの場合飲料用には作られていませんが
製薬会社のものは全く飲食用には使いませんが
酒造製造会社のものは飲料用にもなります。

輸入時/製造時の登録名によって
・工業用アルコール
・酒類用アルコール
(醸造用アルコール)
と、まずは大別されますが
そもそも論的にはこの二つ元は同じもの

工業用だからと言って
変な素材が使われる訳でもなく
酒類用だからと言って
特別な材料が使われている
わけでもありません。

業界的老舗はドーバーさんで
商品名はパストリーゼ77%

消毒に最適な
アルコール度数は
76〜82%の範囲のもの
とされていますので
下限は76%ですが

商品としては
開封後の揮発を鑑みて
77%としているのでしょう。
まぁ77とゾロ目の方が覚え易く
イメージ的にも良い
という部分もあるかと

因みに77%以上が少ないのは
酒税がアルコール度数によって変わり
消毒という目的であれば
77%以上上げる必要も
あまりないとなります。

ここで注意してほしいのは
酒税がアルコール度数によって変わり
の部分。

実は
酒類用アルコールの管轄は財務省/国税局
工業用アルコールの管轄は経済産業省
となっていて管轄も違うし
何が大きく違うかといえば「酒税」

つまり工業用の場合は税金が安くなるので
製薬/化粧品メーカーなどが
工業用アルコールで消毒用アルコールを
作った方がはるかに安く作ることが出来ます。
ですから商品としては
78%を超えるものも多数見受けられます。

その一方で酒類用アルコールは
飲料が可能な反面税金が高いので
可能な限り76にしたいが揮発分のバッファーで
老舗ドーヴァーさんに倣うのが良い…
としているのが理由の一つでしょう。



さて、ここまで引っ張りましたが
いずれのアルコールも市場に出ているものの
ほとんどは元は粗留アルコール

その粗留アルコールにも素材が色々ありまして
ブラジル産のサトウキビ原料や
北米産穀物(コーンなど)原料や
中国産雑穀原料などなど。

ここでちょっと興味深いのは
ブラジル産サトウキビ原料以外の
多くの穀物は遺伝子組換え穀物を使っている…
ということと、これには表示義務がない…
という事。

個人的にはあまり気にはしませんが
気になる方はこの手の商品の
裏表示を確認してみて下さい

サトウキビだけが
遺伝子組換えがない素材です。

何でもそうですがもうかる商品には
何か理由があるというもの。

真面目にやると儲からないのです。
儲からないものは緊急時なら
尚更やれません。


最後に
Facebook上で
日本の蒸留所が
消毒用アルコールを作ればいい
という趣旨の発言が
プロの方々からありましたが

通常我々が飲むようなお酒の
原料やそれで作ったアルコールは
一般の消毒用に比べたら
非常にコストがかかっていますので

物理的にやれても
経済的にやれない、
やりたくないと思います。

上記で挙げたような
消毒用アルコールが
酒類メーカーから出ても
それはそれを素材から発酵-蒸留して
作るのではなく

既に蒸留まで終わった
アルコール自体(輸入品)を
大手酒造メーカーや
商社から買って
瓶詰めしているだけです。

そして何故そこまでして作るかは
世のため人のためもあると思いますが
会社のため販路のため宣伝のための
マーケティングかと思いますよ。

プロなのであれば
道具が設備があれば出来るだろう
みたいな安易な考え/発言は
かえって後で恥をかきますので
控えましょう。