<独り言>

人の寿命について考えることがあります。

井原西鶴が
「初ものを賞すること昔も今も変わることなし」
と書いていますが、
初ものは寿命を75日延ばすと云われていました。

19世紀中頃、
英国上流階級の平均寿命は35歳、
商人や手工業者の平均寿命は22歳、
日雇い労働者は15歳だったそう。

1880年の日本の平均寿命は30歳、
1912年になって平均寿命は40歳に。

シェリー酒を愛した
かのバイロンは36歳で亡くなりましたが
癲癇発作の時、医者にこう言ったそうです。

「君は僕が長生きしたいと思うのか?
うんざりするほど人生を楽しんだ。
方々を旅して好奇心を満足させ
全ての幻想を失った。…」と。

樹木希林さんは
「死ぬときぐらい好きにさせてよ」
と残していらっしゃいますが、

それは死を何処かに意識しながら
一所懸命に生きた方の言葉。

もし死や寿命に問題があるのだとしたら
一所懸命に生きているか?
生きてきたか?ではないかと。

誕生日を祝う習慣がなかった時代の初ものは
きっと一種の誕生日であり、
新たな目標設定日だったのかと。

どんなに身体を鍛えていても
どんなに心を鍛えていても死は誰にも訪れる。

歴史や摂理を知ることは未来を知ること。
ただ知ることはもしかしたら不幸なのかも、とも。

いつ死んでもいい、
そう思える毎日を送れるよう
今日を一所懸命生きるのみ。。。