<館長の独り言>

以前、立教大学大学院での授業でも
講師としてお話しさせて頂きましたが

カステラは名称や形状から
スペイン北部由来
とするのが自然かと思います。

恐らくずっとポルトガル由来
としてきたため、
今更否定されても…
という話だと思いますが、

信長が飲んだチンタがポートワイン
だとする話と同じで
情報不足と調査不足が生んだ
話かと思っています。

ややこしいのは、この時代
西日本に交易して良かったのは
ポルトガル国、
西日本に布教して良かったのは
イエズス会でした。
いずれもカトリック・ローマ教皇が
認定したものでした。
(西日本の根拠はトルデシリャス条約。
因みに東日本はサラゴサ条約で
スペイン領海圏でフランシス会と
ドミニコ会の布教圏でした)

当時イエズス会を庇護していたのは
ポルトガル国でしたが
他方イエズス会の構成員の多くは
スペイン人でした。
日本人なら誰でも知っている
ザビエルはスペイン人。
(より厳密には
バスク-ナヴァラ系スペイン人)

つまりカステラにせよチンタにせよ
ポルトガルと
スペイン文化が混在していました。

なのでカステラも
ポルトガルか?スペインか?ではなく
イベリア半島由来、
キリスト教由来とすれば良いかと。
(但しオランダの影響を
云う説もあります)

ただチンタ=ポートは
残念ながらありえません。

これは拙著でも触れましたのですが、
より詳しく調べるべく目下調査中です。