![beef](https://stat.ameba.jp/user_images/20160605/11/catador/54/cd/j/t02200146_0800053213664695802.jpg?caw=800)
このローストされたお肉!
どうみても美味しそうですよね!!
見ての通り牛肉を、
フライパンで表面に焼色をつけてから
オーブンで中までじっくり火を入れたものですね。
でも、ここで考えてみてください。
「加熱」
について。
「宇宙には酸素がない」
のは中学生でも知っている話ですね。
そして、
「酸素がないと燃焼が起こらない」
というのは高校生でも知ってる話ですね。
とすると、
このお肉は酸素のある場所で起こった燃焼によって
生肉が変化した状態と言えますね。
この現象をなんと言うかというと
「酸化」
です。
もちろん「酸化」には広い意味があります。
少し前までは、多くのワイン好きの方は、
「シェリー酒を酸化したワインだ」
とシェリーを低く評価してきました。
確かに化学的には間違いではないですが、
そういう表現で言うなら、
「ローストビーフは酸化した肉だ」
と言っているのと同じなんですね。
皮肉を言えば、
シェリーを低く評価するワイン好きの方に限って
ワインを飲む時、グラスをガンガン回していらっしゃる。
いえいえ、あのそれって「酸化行為」では?w
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ま、冗談はさておき、
「酸化」という現象は非常に面白いです。
我々人間も酸素を吸っている以上、
常に酸化しているんですものね。
でも人間には還元能力というものが備わっているから
生きて、生きながらえていけるんですね。
ただ、年と共にその機能は低下していく。
それを「老化」と呼んでいますね。
そういった背景から、
より人間を酸化させる活性酸素を奪うのに
タンニンがいいだの、
カテキンがいいだの、
抗酸化ビタミン剤がいいだの言うわけですね。
最近、物議をかましている水素水も同じような話から出たもの。
こう聞くと、焼いた肉やシェリーは
飲まない方がいいと思った方がいたらそれは大違いです。
加熱していないものをとっても、
結局は胃や腸で酸化が起こり、
逆に加熱を経ていないものは、
胃腸に負担を強いて、
かえって自己の酸化を進める可能性もありますから、
実は「酸化」と言わずに「熟成」と言い換えた
多くのものは、我々人類の身体には優しいんです。
何せ「酸化済み」なわけですから。
調理は、他の余計な部分を酸化させるリスク回避した
人類の英知とでもいいましょうか。
類人猿から人間への進化は加熱と肉食が一番の要因で、
それを経たからこそ脳の重量も増加し、
人へと進化できたとも言えるでしょう。
ま、「進化は酸化との共存が生んだ」と言ったら
言い過ぎかもしれませんが。。。。w
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因みに我々人類の血液は赤いですが、
これは鉄分によるものですが、
鉄分は酸素を運んでくれる大事な存在。
つまり血液が流れているということは、
我々は常に体内から酸化し続けてるんですね。
でもね、我々人類は植物と違って
酸素を取り入れることで生きていくよう進化してきたので、
酸素や酸化と上手く付き合いながら
還元的生活を送っていくんですね。
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なので
「シェリー酒を酸化したワイン」
などというネガティブな言い方はおやめなさい。
それは、
「酸化を何も理解していません」
と自己主張しているようなものですからね。