sherry museum

【ハモンのボカードと
タキート】
Jamon, Bocado, Taquito


すっかり日本でも御馴染になった
ハモン(生ハム)ですが、

シェリー酒同様に、
美味しく出せている店は
まだまだ少ない
というのが現状のようで、

先日も常連さんが
他のスペイン料理屋で食べた生ハムが
如何に不味かったかを、
聞かされましたw

不味いという印象を与えてしまう
店の生ハムは多くの場合、
閉店後に冷蔵庫管理していたり、
肉の周りの酸化した部分を
きちんと掃除していなかったり、

回転が悪く、
常にカピカピしている状態のものを
出していたり、
そもそも薄く切れていなかったり…etc...

しょうがないでは済まされないというか、
お客様が可哀そうなんですが、
一番基礎的な考え方は、
「そもそも、従業員がそれを食べて
美味しいと思える状態か?」
ということに尽きますね・・・

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さて、そんな話はさておき、
今日のネタは切り方のお話です。

上記の写真は
同じ生ハムから切り出したもので、
・左上:プンタ(付根)
・左下:コントラマサ(上腿)
・右下:マサ(下腿)

そして
・右上:タキート

となっているのですが、

上記の三つの切り方は
「ボカード」と言います。

ボカードとは
ボカ(口)から派生した言葉で、
日本語で言うなら「一口大」
という意味になります。

スペインの伝統的な切り方は
専用ナイフによる手切りになっており、
イタリアの機械切りのように
一枚を大きく切ることは基本ありません。

そしてもう一つの切り方が「タキート」です。

タキートは原形がタコと言いまして、
日本語で言うなら
「賽の目切り」や「微塵切り」
という意味になります。

ついでながらタコやタキートは
複数形でタコスやタキートスとも言いますが、
タコスと聞いたら、
聞き覚えがありますよねw

そう、タコスとは
元々そういう意味なのですw

ちなみにタコやタキートは
薄く切るのが難しい部分や、
内腿の硬い部分、
また骨に近い部分などを
そう切って出します。

日本ではタキートを出してくれる店が
殆どないようですが、
酒のつまみには最高ですので、
あまり原価ばかり気にせずに、
お客様の為にこういう出し方も
してほしいものだと思いますw