by Cutty Sark
この話はあるメールから始まりました。
友人の先輩が務めるバーの常連様が
シェリー・カクテルの
【クォーター・デッキ】
Quarterdeck
を注文
当たり前のように
[フィノ+ホワイトラム+ライム]
で作ったら、
「クォーター・デッキって
透明なカクテルなの?」
*****
そんな話からでした。
*****
ソムリエ出身の私は誠に恥ずかしながら
カクテルは不得意なもので
*****
そんな話からでした。
*****
ソムリエ出身の私は誠に恥ずかしながら
カクテルは不得意なもので
むしろ避けてきた領域なのですが、
シェリーを使ったカクテルの質問を受けたら
答える、調べる義務感、興味がありますw
<<そこでまず、名称から>>
名称の
シェリーを使ったカクテルの質問を受けたら
答える、調べる義務感、興味がありますw
<<そこでまず、名称から>>
名称の
クウォーター・デッキ
Quarterdeckとは
「帆船の後方にある甲板で
船の舵がある場所」
のことで、つまり船長のいる場所。
上記の船の絵は言わずと知れた
のことで、つまり船長のいる場所。
上記の船の絵は言わずと知れた
「カティー・サーク号」ですが、
真ん中のメイン・マストの後ろにある
真ん中のメイン・マストの後ろにある
ミズン・マストの下を
よーく見ると、帆が一カ所だけ
よーく見ると、帆が一カ所だけ
開いていない場所があります。
実はこの下が、クォーター・デッキ
実はこの下が、クォーター・デッキ
と呼ばれる場所で、
このイラストは船長が
このイラストは船長が
前を見えるように帆をたたんで
「航行中」という意味があるそうで、
偶然にも最近友人の帆船乗りKさんが
「航行中」という意味があるそうで、
偶然にも最近友人の帆船乗りKさんが
教えてくれたばかりでしたw
<さて、次にその発祥なのですが>
自分の手元にある
<さて、次にその発祥なのですが>
自分の手元にある
最も古いカクテル・ブックは
1937年の
1937年の
「ザ・サヴォイ・カクテル・ブック」
しかなく、
そこでの存在とレシピは
そこでの存在とレシピは
確認できたのですが、
それ以前はどうだったか?
それ以前はどうだったか?
が疑問になりました。
そこで、
そこで、
方々の知合いに問い合わせた結果、
奈良のセイリングバーの渡邉様
奈良のセイリングバーの渡邉様
佐藤様経由で、
1922年のカクテル・ブックまで
1922年のカクテル・ブックまで
遡ることは出来ました。
最終的に、いつだれが作成・命名
最終的に、いつだれが作成・命名
したまでは調べきれませんでしたが、
非常に古いカクテルだということは
判明しました!
<<では、そのレシピは
<<では、そのレシピは
どうだったのか?なのですが>>
いずれも
1ティー・スプーンのライム・ジュース
1/3のシェリー
2/3のラム
シェイクしてカクテルグラスへ
というもので、
シェリーもラムも
いずれも
1ティー・スプーンのライム・ジュース
1/3のシェリー
2/3のラム
シェイクしてカクテルグラスへ
というもので、
シェリーもラムも
特にタイプ指定はありません。
<そこで材料について考察してみると…>
まず「ライム」ですが、
英国海軍は壊血病予防に
まず「ライム」ですが、
英国海軍は壊血病予防に
「ライム」支給してきたので、
海兵を「ライミー」と、
また後に「ローズ・ライム・ジュース」
海兵を「ライミー」と、
また後に「ローズ・ライム・ジュース」
が登場しますが、
英国海軍医が
英国海軍医が
推奨したのでは「レモン」でした。
なので、ストーリー的には
「ライム」でも「レモン」でも
なので、ストーリー的には
「ライム」でも「レモン」でも
いいのではないかもしれません。
次に「シェリー」ですが、
1937年のサヴォイのカクテル・ブックには
レシピにはシェリーとしか
次に「シェリー」ですが、
1937年のサヴォイのカクテル・ブックには
レシピにはシェリーとしか
明記されてない一方、
後ろの解説には以下のタイプが
後ろの解説には以下のタイプが
紹介されており
「フィノ」
「アモンティリャード」
「オロロソ」
「アモロソ」
「ゴールデン」*
「ブラウン」*
「フィノ」
「アモンティリャード」
「オロロソ」
「アモロソ」
「ゴールデン」*
「ブラウン」*
*現在のクリーム
ボデガも数社紹介されており、
ボデガも数社紹介されており、
現在もある会社としては
「ウィリアムス&ハンバート社」
「ゴンサレス・バヤス社」
「オズボーン社」
「ガルベー社」
などがあります。
そして「ラム」ですが、
ご存知の通り、
「ウィリアムス&ハンバート社」
「ゴンサレス・バヤス社」
「オズボーン社」
「ガルベー社」
などがあります。
そして「ラム」ですが、
ご存知の通り、
海軍ではラムが支給*のお酒となっており、
基本「ジャマイカン・ラム」
基本「ジャマイカン・ラム」
となっていましたが、
商船などはカリブを通らずに
商船などはカリブを通らずに
交易をしていたこともあり、
*現在は支給されておりません。
また近代的なラム・カクテルは
「ホワイト・ラム」「ライト・ラム」
また近代的なラム・カクテルは
「ホワイト・ラム」「ライト・ラム」
の販売促進で
創作されていたものが多かったことから、
ラムに関しても、
創作されていたものが多かったことから、
ラムに関しても、
特にストーリー的縛りはないようです。
そこでネット検索や、
そこでネット検索や、
ラム専門家にインターヴューしたところ、
海外では
「クリーム系シェリー」+
「ジャマイカン」+「ライム」
「クリーム系シェリー」+
「ホワイト・ラム」+「ライム」が、
日本では「フィノ系シェリー」+
日本では「フィノ系シェリー」+
「ホワイト・ラム」+「ライム」
具体的には「ティオ・ペペ」+
「バカルディ」+「ライム」
が多いことが分かりました。
ちなみに蛇足ながら
が多いことが分かりました。
ちなみに蛇足ながら
シェリー最大消費国であり、
カクテルの基礎を生み出し、
カクテルの基礎を生み出し、
帆船大国だったイギリスの
タイプ別シェリー消費
タイプ別シェリー消費
(2012年データ)を見てみると、
「クリーム」41%
「ペール・クリーム」約24%
「アモンティリャード」約12%
「フィノ」約11%
「ミディアム」約6%
「ドライ・オロロソ」約1%
となっています。
さて、プロの貴方は
どんなクォーターデッキを作りますか?
そしてゲストの貴方は
どんなクォータデッキを飲みたいですか?
**********
お恥ずかしながらSherry Museumでは
カクテルはおつくりしておりません(汗;
是非、カクテル・バーにて、
「クォーター・デッキ」を注文して、
この話題で
「クリーム」41%
「ペール・クリーム」約24%
「アモンティリャード」約12%
「フィノ」約11%
「ミディアム」約6%
「ドライ・オロロソ」約1%
となっています。
さて、プロの貴方は
どんなクォーターデッキを作りますか?
そしてゲストの貴方は
どんなクォータデッキを飲みたいですか?
**********
お恥ずかしながらSherry Museumでは
カクテルはおつくりしておりません(汗;
是非、カクテル・バーにて、
「クォーター・デッキ」を注文して、
この話題で
盛りあがってみては如何でしょうか?w
<<追記:2015年11月30日>>
有名バーテンダー「中垣繁幸」
<<追記:2015年11月30日>>
有名バーテンダー「中垣繁幸」
さんにつくっていただいたレシピは
・ロン・ミレナリオ15年
・バロン・クリームシェリー
・フレッシュ・ライム
・オリジナル・ビターズ
・バーニング・オレンジ・ピール
大変美味しくいただきました!!
・ロン・ミレナリオ15年
・バロン・クリームシェリー
・フレッシュ・ライム
・オリジナル・ビターズ
・バーニング・オレンジ・ピール
大変美味しくいただきました!!