第4回「シェリー酒のアルコール度数の違いとは?」
に引き続き第5回は
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シェリー酒入門講座
第5回「お酒の発酵とは?」
前回、
「日持ちしない醸造酒に、日持ちする蒸留酒を混ぜた」
「日持ちするアルコール度数の境界線が20%」
ということを書きましたが、
そもそも「発酵とは何でしょうか?」
さらに「醸造酒とは?」
また「蒸留酒とは?」
まず、お酒における発酵とは、
「甘いものを酵母が食べて
生みだしたアルコールを酒とよんでいます」
これを少し難しい言い方をしますと、
「ある環境下で酵母が糖分からエネルギーを取り出し
中間物質としてアルコールを生み出した」となります。
より細かいことを言いますと、
糖分と酵母があってもアルコールが出来るとは限らず、
酵母にとって最も好ましい条件が揃うと
酵母は糖分から効率的にエネルギーを取り出し
最終的に生みだすのは「水」になります。
我々人間も生きていくためにはエネルギーが必要です。
エネルギーにも色々な形がありますが、
一番身近で分かりやすいエネルギー源と言えば甘いもの、
そう「糖分」でしょう。
疲れた時の甘いものは心身ともに幸福感を与えてくれますが、
いくら甘いものがいいからと言って、
食べ過ぎてしまったら太ることになります。
人間の場合、余分な糖分は脂肪へと変換され体内に蓄積されますが、
酵母の場合は、余分な糖分はアルコールへと、
余談ですが乳酸菌の場合は乳酸へと変換/蓄積されることとなります。
さて、肝心の「アルコール発酵」ですが、
これは
「嫌気的条件下で酵母が糖分を資化し
エチルアルコールを生みだした」
という定義になります。
要約すると
「酸素が薄い状態で
酵母が糖分を食べると酒になる」
ということです。
この糖分の原材料が
「穀物の場合は穀物酒」
⇒ビール、日本酒
「果実の場合は果実酒」
⇒ワイン、シードル
となります。
「発酵」によって造られたお酒を
総称して「醸造酒」と呼びます。
ということで、
次回は「醸造酒と蒸留酒の違いとは?」
について書きたいと思います。