第3回「シェリー酒のアルコール度数って?
に引き続き第4回は


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シェリー酒入門講座
第4回「シェリー酒のアルコール度数って?」


前回、
「シェリーの度数は15%-23%」
「日持ちしない醸造酒に、日持ちする蒸留酒を混ぜた」
そして歴史的キーワードとして
「大航海時代」「東インド会社」
と書きましたが、

次にくる疑問が
「シェリーのアルコール度数の違いとは?」
という疑問ですね。

ここでまずシェリー酒と
それ以外のお酒の度数を復習しておきましょう。

「ビール」は大体5%前後
「ワイン」は大体10%前後
「シェリー」は大体20%前後
「リキュール」は大体30%前後
「ウイスキー」は大体40%前後

ここで今一度気付いて頂きたいのは、

「ビール」と「ワイン」は
開封したら直ぐに劣化が始まり、

「リキュール」と「ウイスキー」は
開封しても長く日持ちするという特徴です。



そこへいくと
「シェリーはその中間に位置する」
わけです。

シェリー酒の最低アルコール度数は「15%」ですが、これは
「開封後の長持ちが可能になっていく度数」
であり、
その少し上である「18%」という度数は
「開封後の長持ちがある程度保障される度数」
でもあります。


シェリー酒には、
見た目が透明・麦藁色に近く度数が15-17%の
「マンサニージャ」
「フィノ」

「ペール・クリーム」
琥珀色に近く度数が17-23%の
「アモンティリャード」

「パロ・コルタド」
「オロロソ」
黒に近く度数が20%前後の
「モスカテル」
「ペドロ・ヒメネス」

などの種類があります。

次に先にあげた
「日持ちしない醸造酒に、日持ちする蒸留酒を混ぜた」
ですが、

シェリーとは白葡萄で作った白ワインに
白葡萄由来の透明なブランデーを足すことで
上記のような15-23%という
日持ちする度数を可能にしました。


一方で、日持ちというのは、
「大航海時代」の到来によってより
遠方への飲料輸送が必要になり、

「東インド会社」の時代に、
さらに遠い国々へ行き来するのに必要不可欠になりました。

さて、これでシェリーが
「白葡萄で造られ」
「やや度数が高く」
「日持ちする」
ということが御理解いただけたと思います。

ただ、次に行くのに避けては通れない基礎が一つ。
それが「発酵」です。

ということで、
次回は「お酒の発酵とは?」
について書きたいと思います。