$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-book

今回、紹介するのは
【ジャマイカ・マティーニ】
という
ホワイト・ラムとドライ・シェリーのカクテル。


その前に、このジャマイカがどんな所かを
略史で見てみたいと思います。

カリブ海に、北にキューバを、東にハイチを望む島
「ジャマイカ島」


<1494年>
かのコロンブスの第二回航海においてジャマイカ島は「発見」。
<1509年>
ジャマイカはスペイン領に。
以後、スペインはこの地にサトウキビのプランテーションを設置。
スペインによってラム(酒)を造る技術がもたらされた。
<1523年>
ジャマイカには30ものインヘニオ型(水力)製糖工場があった。
<1530-1620>
フランスやイングランドの海賊の襲撃を度々受けるように…
<1655年>
イングランド海軍提督ペンとベナブルズ将軍がジャマイカに侵攻。
ほぼ無血でこの島を占領した。
<1670年>
マドリード条約によってジャマイカは正式にイギリス領に。
そして以後、次第にラムは英国海軍の支給品となっていった。
<1692年>
ポートロイヤルが大地震で町が倒壊。
首都は北のキングストン移った。
<1728年>
マルティニークからコーヒーの樹が移植され栽培が開始。
これが今や有名なブルーマウンテン・コーヒーの始まり。
コーヒー・リキュールで有名な
ティア・マリア(1947-)が生まれたのもそうした背景からだ。
<1749年>
アップルトン社創業
<1806年>
USAから持ち込まれた氷で既に氷入りのパンチが飲まれていた。
<1889年>
コルバ社創業

*****

そんなジャマイカの風景を思い浮かべながら
オキ・シローさんの著書
「ジャマイカ・マティーニ」(1999年)

の中のこんな台詞に触れてみたいと思います・・・

『そうライム・ピールで仕上げる。
ホワイト・ラムをベースにドライ・シェリー、
これをステアしたカクテルをこのキングストンでは、
ジャマイカ・マティーニと呼んでいるんだ。
一杯、飲んでみるかい?』
・・・
『優雅なシェリーと人なつっこいラムとの配合の妙だよ。
ラムの秘められた情熱というか甘さが、
シェリーによっていい感じに外へ引き出されるんだ』


*****

この「ジャマイカ・マティーニ」…
俄かではあるが調べてみると、

日本ではバーテンダーで知らない人はいない
銀座「MORI BAR」のバーテンダー
毛利隆雄氏のオリジナル・カクテルというのが一般的な常識。

そのレシピは
・ハバナ・クラブ7年:60ml
・ドン・ソイロ・フィノ:1tsp
・オレンジ・ビター:1dash
・ステアしてロック・グラスに。
・最後にレモン・ピールで仕上げ。
となっていて、

オキ・シローさんの本の中とはやや異なります…

しかもよく話題に上るのは、
名前がジャマイカなのにハバナ・クラブは
お隣キューバ産のラムってことなんですね…

これに関しては、
毛利さん自身が2005年にハバナ・クラブを訪問された際、
その魅力から「ジャマイカ・マティーニ」の名称を改め
「ハバナ・マティーニ」としたとか…

*****

と、その話はさておき、
今回紹介したオキ・シローさんの本の中のレシピを
仮に再現するには何を使えばいいのか?

調べてみると、現在、日本で購入可能な
ジャマイカのホワイト・ラムは

Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-RUM
・アップルトン・ホワイト・ラム
Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-RUM
・コルバ・ホワイト・ラム


がありますね。

さて、ではフィノは何を使うのがそれらしいでしょうか?

毛利さんがご推奨だったブランド「ドン・ソイロ」は
現地での紆余曲折があって、現在も製造はされていますが、
スペイン国内でのみの流通となっており、
残念ながら日本には輸出はされていないんですね…

ところが…ところが…

実はかつてドン・ソイロが会社ごと消滅しかけた時に、
名称と中身がバラで売られたという事実があるんです!

そして、その中身を継承しているのが、実は・・・
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ホセ・デ・ソト社の
・ドン・ホセ・マリア・フィノ
なんです!

*****

参考までに
Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-sherry
このシリーズが、かつて日本のドン・ソイロ・シェリーの輸入業者
バークレイ・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド社さんが
輸入していたころのラベル。
恐らく毛利さんがご推奨されていた頃のドン・ソイロは
この時代のものではないでしょうか?
今一度ボトルの形状、ラベル、そして紋章をよーく見てから
今度は下のシリーズを見てみてください!

Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-sherry
このシリーズが、現在のホセ・デ・ソト社のドン・ホセ・マリア・シェリーの
輸入業者「白井松新薬」社さんが輸入しているラベル。
ボトルの形状、ラベル、そして紋章をもう一度よーく見て下さいw

如何ですか?w
名前以外は、同じでしょ?

しかも…

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どうやら、ホセ・デ・ソト社さんは
ジャマイカのラムと何か関係がありそうで…

*****

ってことで、この組み合わせで試してみようかなw

その前に誰かが試しますよネ!

ね!そこの貴方!w

!!iPhone用シェリー・カタログ・アプリも是非!!

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追記:ドン・ホセ・マリア社は
2018年に閉鎖しブランドも無くなりました。