![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-book](https://stat.ameba.jp/user_images/20130516/12/catador/ca/48/j/t02200345_0800125512540686824.jpg?caw=800)
今回、紹介するのは
【ジャマイカ・マティーニ】
という
ホワイト・ラムとドライ・シェリーのカクテル。
その前に、このジャマイカがどんな所かを
略史で見てみたいと思います。
カリブ海に、北にキューバを、東にハイチを望む島
「ジャマイカ島」
<1494年>
かのコロンブスの第二回航海においてジャマイカ島は「発見」。
<1509年>
ジャマイカはスペイン領に。
以後、スペインはこの地にサトウキビのプランテーションを設置。
スペインによってラム(酒)を造る技術がもたらされた。
<1523年>
ジャマイカには30ものインヘニオ型(水力)製糖工場があった。
<1530-1620>
フランスやイングランドの海賊の襲撃を度々受けるように…
<1655年>
イングランド海軍提督ペンとベナブルズ将軍がジャマイカに侵攻。
ほぼ無血でこの島を占領した。
<1670年>
マドリード条約によってジャマイカは正式にイギリス領に。
そして以後、次第にラムは英国海軍の支給品となっていった。
<1692年>
ポートロイヤルが大地震で町が倒壊。
首都は北のキングストン移った。
<1728年>
マルティニークからコーヒーの樹が移植され栽培が開始。
これが今や有名なブルーマウンテン・コーヒーの始まり。
コーヒー・リキュールで有名な
ティア・マリア(1947-)が生まれたのもそうした背景からだ。
<1749年>
アップルトン社創業
<1806年>
USAから持ち込まれた氷で既に氷入りのパンチが飲まれていた。
<1889年>
コルバ社創業
*****
そんなジャマイカの風景を思い浮かべながら
オキ・シローさんの著書
「ジャマイカ・マティーニ」(1999年)
の中のこんな台詞に触れてみたいと思います・・・
『そうライム・ピールで仕上げる。
ホワイト・ラムをベースにドライ・シェリー、
これをステアしたカクテルをこのキングストンでは、
ジャマイカ・マティーニと呼んでいるんだ。
一杯、飲んでみるかい?』
・・・
『優雅なシェリーと人なつっこいラムとの配合の妙だよ。
ラムの秘められた情熱というか甘さが、
シェリーによっていい感じに外へ引き出されるんだ』
*****
この「ジャマイカ・マティーニ」…
俄かではあるが調べてみると、
日本ではバーテンダーで知らない人はいない
銀座「MORI BAR」のバーテンダー
毛利隆雄氏のオリジナル・カクテルというのが一般的な常識。
そのレシピは
・ハバナ・クラブ7年:60ml
・ドン・ソイロ・フィノ:1tsp
・オレンジ・ビター:1dash
・ステアしてロック・グラスに。
・最後にレモン・ピールで仕上げ。
となっていて、
オキ・シローさんの本の中とはやや異なります…
しかもよく話題に上るのは、
名前がジャマイカなのにハバナ・クラブは
お隣キューバ産のラムってことなんですね…
これに関しては、
毛利さん自身が2005年にハバナ・クラブを訪問された際、
その魅力から「ジャマイカ・マティーニ」の名称を改め
「ハバナ・マティーニ」としたとか…
*****
と、その話はさておき、
今回紹介したオキ・シローさんの本の中のレシピを
仮に再現するには何を使えばいいのか?
調べてみると、現在、日本で購入可能な
ジャマイカのホワイト・ラムは
![Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-RUM](https://stat.ameba.jp/user_images/20130516/14/catador/18/7a/j/t02200220_0509050912540783841.jpg?caw=800)
・アップルトン・ホワイト・ラム
![Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-RUM](https://stat.ameba.jp/user_images/20130516/14/catador/25/7e/j/t02200220_0800080012540783840.jpg?caw=800)
・コルバ・ホワイト・ラム
がありますね。
さて、ではフィノは何を使うのがそれらしいでしょうか?
毛利さんがご推奨だったブランド「ドン・ソイロ」は
現地での紆余曲折があって、現在も製造はされていますが、
スペイン国内でのみの流通となっており、
残念ながら日本には輸出はされていないんですね…
ところが…ところが…
実はかつてドン・ソイロが会社ごと消滅しかけた時に、
名称と中身がバラで売られたという事実があるんです!
そして、その中身を継承しているのが、実は・・・
![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-sherry](https://stat.ameba.jp/user_images/20130516/13/catador/3b/59/j/t02200266_0800096612540760246.jpg?caw=800)
ホセ・デ・ソト社の
・ドン・ホセ・マリア・フィノ
なんです!
*****
参考までに
![Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-sherry](https://stat.ameba.jp/user_images/20130516/13/catador/4e/90/j/t02200149_0800054012540760245.jpg?caw=800)
このシリーズが、かつて日本のドン・ソイロ・シェリーの輸入業者
バークレイ・アンド・カンパニー・インコーポレーテッド社さんが
輸入していたころのラベル。
恐らく毛利さんがご推奨されていた頃のドン・ソイロは
この時代のものではないでしょうか?
今一度ボトルの形状、ラベル、そして紋章をよーく見てから
今度は下のシリーズを見てみてください!
![Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-sherry](https://stat.ameba.jp/user_images/20130516/13/catador/75/06/j/t02200133_0800048312540760247.jpg?caw=800)
このシリーズが、現在のホセ・デ・ソト社のドン・ホセ・マリア・シェリーの
輸入業者「白井松新薬」社さんが輸入しているラベル。
ボトルの形状、ラベル、そして紋章をもう一度よーく見て下さいw
如何ですか?w
名前以外は、同じでしょ?
しかも…
![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-ron](https://stat.ameba.jp/user_images/20130516/13/catador/61/20/j/t02200279_0300038112540767507.jpg?caw=800)
どうやら、ホセ・デ・ソト社さんは
ジャマイカのラムと何か関係がありそうで…
*****
ってことで、この組み合わせで試してみようかなw
その前に誰かが試しますよネ!
ね!そこの貴方!w
!!iPhone用シェリー・カタログ・アプリも是非!!
Facebook:Sherry Museum
追記:ドン・ホセ・マリア社は
2018年に閉鎖しブランドも無くなりました。