$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-sherry

スペインはアンダルシア地方の港町
サンタ・マリア港近郊でひときわ大きなボデガを構える
【オズボーン社】
オスボルネ社

1772年にイギリス南部デボンシャー出身のオズボーン氏によって設立。
当初は友人のダフ氏やゴードン氏と共に
ドメック社などヘレスのボデガからシェリーを買い付ける商社でした。

オズボーンは自ら、
ダフ氏とゴードン氏は共に会社を興し、
オズボーン社とダフ・ゴードン社が設立されました。

オズボーン社が英国やロシアを顧客にする一方、
ダフ・ゴードン社は北アメリカや日本を顧客とし、
それぞれ会社を大きくしていきます。

やがてダフ・ゴードン社はオズボーン社に吸収され、
最終的には一部のブランドを残してその名は消えます。
こうして大きくなったオズボーン社には様々な商品があります。

フィノキンタやコキネロ、バイレンなどを代表する
兼ねてからの自社商品。

サンタ・マリア・クリームやブランデーなど
ダフ・ゴードン社から受けついだ商品。

そして傘下に吸収し103等のブランデーに名を残した
旧ボバディージャ社の商品。

さらには最近旧ドメック社から買い取った
シバリータなどのオールド・シェリーのシリーズ。

これだけでもオズボーンが扱うシェリーがいかに多いかが判りますね。

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さて、今回取り上げるのは、

1:オズボーン・フィノ・キンタ(上記写真左の赤ラベル)
2:オズボーン・フィノ(上記写真右の白ラベル)


1は正規輸入代理店シンポフーズの輸入品
2は平行などの安売りで有名なヤマヤの輸入品

1はスペイン国内及び海外輸出を兼ねる商品、
2は海外輸出向けのみの商品。

で最近
Q:「中身は同じなのですか?」という質問を受けたんですが、
A:「全くの別物です!」というのが答え。

違いは幾つかあります。
まず1は2より熟成が長いです。
この場合の長いは何年という端的なものだけではなく、
ソレラの開始が古いという意味も含みます。

つまり1のフィノ・キンタの方が
ソレラの開始年数が古く、その樽熟成も長い。

強いて言うなら
1はオズボーン社のメイン商品であり一級品。
に対して2はセカンド商品の二級品。

もちろん2もキンキンに冷やして飲むと
十分美味しいんですけどねw

では何故にこんなに価格差があるのか?となるんですが、
ここがマンサニージャとフィノの大きな違いでもあるんですが、

フィノ・キンタはもちろん冷し目でも美味しいんですが、
フィノはマンサニージャより、
高品質のフィノは安価なフィノよりぬるくなっても、
いえ、最初からぬるめでも美味しく頂けるんですね。

に対して、マンサニージャや
2のようなフィノは冷えてないと、ちょっと味がぼけるというか、
水っぽくダレた感じになってしまうんです・・・

これが値段の差なんですね。

もちろんキンキンに冷やしてゴクゴクという方には
2の商品の方が安いし気軽でいいかと思いますw

この差を判り易い喩えとして
ブルゴ―ニュのシャルドネとかに置き換えますと、
2の商品はただのAOCブルゴーニュみたいなもので、
1の商品はシャブリやモンラッシェみたいに村名が明記されたもの…
みたいなものなんです。

ブルゴーニュの高品質な白とかも
飲料温度がキンキンだったら、その真価は発揮されないし、
別の言い方をすれば良さが台無しですよね。。。

補足)マンサニージャとフィノの差は別の要因なので、
この場合は良し悪しではなく区別ですね。
フランス・ワイン的には
マンサニージャはムスカデ・シュル・リー的で、
フィノはブルゴーニュのシャルドネ的ですね。

*****

なので語弊を承知で言うなら、
1はレストランや、とっておきの場で向き、
2はバルなど気軽な店舗や家での普段飲みに向いているフィノでしょうね。

どちらを買うか選ぶかはお好み次第ですが、
時間&日数という二重の意味で1本をゆっくり飲むのなら
1のフィノ・キンタをお勧めしますし、

直ぐに飲んでしまう、飲みきってしまうのなら
2のオズボーン・フィノは気軽でイイんじゃないでしょうか?w

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