生シェリーとは? What is "En Rama" Sherry? | Sherry Museum館長 中瀬航也オフィシャルブログ「中瀬航也のオフィシャル・シェリー酒ブログ」Powered by Ameba

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日本でまだ馴染の薄い「シェリー酒」にまつわる
シェリー酒のABCからマニアな話。シェリー酒と料理のマリアージュ。
シェリー酒のセミナーやイベント。シェリー酒の歴史や文化他、
スペインを中心にヨーロッパなどの飲食文化について書きたいと思います。


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【ラ・ヒターナ・マンサニージャとエン・ラマ】

2012年夏

今や、日本で知られるマンサニージャの代名詞となった
「ラ・ヒターナ・マンサニージャ」(上記写真:左)

その
【ラ・ヒターナ・マンサニージャ・エン・ラマ】
が先日から日本でも限定で販売されました。
入荷は生産者・輸入社が頑張って1100本。

「エン・ラマ」とは、いわゆる「無濾過」「生」という意味で使われる言葉です。
注)ramaという言葉自体には生という直接的な意味はありません。

生とは言いますが、
シェリーを火入れ(パストゥリゼーション)することはありませんw
また無濾過とは言っても全く濾過をしないわけにもいかないので、
大きな浮遊物・沈殿物等がない
最低限の濾過だけをしたものという意味です。
念の為…w

どうやら、
ちょうど今年のベネンシアドールの試験問題に、
このエン・ラマに関する問題が出たことから
急に脚光を浴びた感がありますネw

今回、ラ・ヒターナ・エン・ラマは、
賞味期限を1-3ヵ月とされていますが、
これは、極限まで濾過を抑えたので、
日に日に変化していくので、理解している方々に、
解った上でお使い頂きたいという趣旨があるからです。

ただ、多くのエン・ラマが賞味期限を6ヵ月としていますし、
変化は必ずしも劣化とはならないので、
1日と1年の温度変化がない場所に静置されていれば、
変化は一種の熟成として変化を楽しむのもアリだとも思います。

もちろん、シェリーに慣れていない、
日本酒やワインなども含み醸造酒の古酒に慣れていない方々には、
ちょっと敷居が高いかもしれませんが…

ティオ・ペペが誕生したのは1837年、
冷蔵庫はおろか、製瓶産業もまだこれからの時代から、
フィノとして飲まれていましたから、
冷蔵庫や保管にあまり神経質にならなくていいような気もします。

プロの方々はこうした変化も楽しんでみると面白いかもしれませんね。

*****

人類がワインというものを飲むようになってきて、
常に課題になってきたのは「濾過」「フィルター」でした。

また、発酵した液体が澄んだ状態がワインの完成を意味したので、
スペインなどでクリスマスが1月6日に行われるのは、
こうした現象を祝う名残です…

これに関しては大昔記事を書きましたが、
また、クリスマスの時期にきたらいずれ…w

濾過は卵白や家畜の血、土などの添加の他、
網や布など様々なものが使われ、
炭を用いた濾過が生まれ始めたころから、
飛躍的に濾過技術は向上していきました…

そんな濾過・フィルターは
19世紀からフィルターの技術があがり初め、
20世紀に入ってからは飛躍的に、

そしてシェリー界においては
1970年代前後を起点に大きく変化し、
業界全体としては
1990年代以降、ずっと飲み易さに重点を置いてきました。

そして2000年を迎えようとした頃、
英国を中心とした消費の急激な冷え込みに、
過剰なまでにフィルターに拘る蔵が増える中、
背に腹はをと言いながら…

このままでは…
という動きもあったのです…

それは一方で、陸送、海上輸送においてのケアが
それまで以上に進歩してきたことや、
醸造、瓶詰め段階でのケアや意識が高まってきた
という背景のおかげでもあったのですが…

そんな中、シェリー界に大きな影響を与えたのが、
バルバディージョ社が今もリリースし続けている、
マンサニージャ・エン・ラマでした!

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【バルバディージョ社の2000年春瓶詰めのマンサニージャ・エン・ラマ】

しかもこのシリーズは年に4回、
つまり春夏秋冬によって細かく変化する
フロールをも感じて欲しいという非常に興味深いもので、
ある意味、マンサンニージャの生産者でありながら、
丘の上にあるボデガだからこそ…な商品ともいえますネw

僕のプロ向けセミナーに出た方は、この意味解りますよね?w

このラベルのシリーズは
サンルーカルの対岸にあるドニャーナ国立公園の
絶滅危惧種を中心とした保護動物に対して、
その動物を紹介しながら、
その収益の一部を保護金に充てているというもので、

イダルゴ・ラ・ヒターナ社の
オールド・シリーズでも行われてきた保護活動です。

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それを追うかのように発売されたのが…
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【サンデマン社の2002年春瓶詰めのフィノ・エン・ラマ】

最近は見かけないですね…

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そして近年ですと、例の
「死ぬまでに飲むべき1001のワイン」
2009年出版で紹介された

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【ペドロ・ロメロ社マンサニージャ・パサダのエン・ラマ】

発注してから瓶詰めするというもので、
基本酒屋の棚には並びません。

2012年7月18日現在、オジャリア銀座店に、まだ在庫ございます。
オジャリア銀座店からの特別発注なので他では飲めません。


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さらには、昨年2011年
シェリー好きで御馴染の
「ジャンシス・ロビンソン監修」で瓶詰めされた
興味深いシリーズ(4種)

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【ゴンサレス・バヤス社で維持されているオールドなフィノのエン・ラマ】

注)この手のレアものは、基本エンラマで、いちいちラベル表記はしません。

などがスペインや、特に英国で注目されていますが、
日本はまだまだシェリー消費量が少なく、
残念ながら彼らから日本に積極的に紹介してはくれません…

しかたなく、いつもこちらで情報収集と、入手方法を模索する訳ですが…
どこの蔵も会社も一言でOKとはならず結構大変なんです…(汗;

まぁこれからもがんばりますがネw

先日、シェリーに関して凄く頑張っている方から、
自分も海外からの手配にトライしてみたいとのお話がありました!
こういう方が出てくるのは本当にうれしいですねぇ!
是非、皆で、そして各々で頑張って欲しいものです!

そして、状態がよく美味しいシェリーを
多くの方々に知って頂きたいですね!

エン・ラマに関しては、
他に書きたいこと、聞かれそうなことありますが、
今日も長くなってしまったので、
またの機会にw

ご要望・感想は、是非、コメント欄に
コメントして下さいね!w


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@補足@

これまで入ってきた多くの
オールド・シェリーは、基本、エン・ラマ状態か、
エン・ラマに極々近い軽いフィルターしかかけていません。

状態が刻々と変化するフィノやマンサニージャだから、
エン・ラマは難しくも面白い、
そしてシェリーを理解している方々に飲んでもらいたい、
さらに、出来れば経過を観察し、現行品と比較して、
現行品を含めてシェリーというお酒を理解してもらいたい…

彼らは多くは語りませんし、
こういった商品はマーケティング的企画商品な部分もありますが、
安心安全・変化なしの食材や酒に慣れた昨今、
こういう商品を通して、自分の身体の中に入れる
食材やお酒に目を向けてみてもいいのでは、と思います。。。

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