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先日Oシェフから頂いた
【アウレオ・セコ・アニェホ1954】
Avereo Seco Añejo 1954
Tarragona 19% Vino de Licor

飲むのは二度目でしたが状態が良く、美味しく頂きました。

で、頂いた際にOシェフからも聞かれたのですが、
この手のヘネロソ(強化ワイン)は、ミサ・ワイン同様、
日本では知られていない、情報が極端に少ないですね…

因みにこのデ・ムリィエール社は
ミサ・ワインで世界的に有名なボデガです。

今回頂いた、アウレオ・セコは、ミサ用ワインではなく、
ガルナチャ・ティンタ70%に、
ガルナチャ・ブランカ、カリニェナを混熟させた
スペイン伝統の長期熟成系強化ワインです。

それと元祖「ランシオ」ワインとも言えます。

色、味わい共にアモンティリャードと、
トゥニーポートの中間という感じ…
ガルナチャ主体である良さと、
シェリーと比較すると逆にその品種特性から、
酸化熟成のプロセスで澱と共に消えて行く部分もありますね。

1954年からのソレラ樽熟成と言うこともあって、
脱水な酸化熟成を経た独特の濃縮感や辛口感は心地よく、
口腔で開く香りと余韻は
脳下垂体を刺激するアロマへと変わります…

一方で、シェリーにはないボーヌの赤の古酒のような
酸を持った長熟のニュアンスと、
その度数と、どこか糖化・酸化したカラメリーな甘いニュアンスが、
余韻の心地よさを演出しています…

やや冷やし目で炭火焼系の料理
(地鶏や味のしっかりした野菜など)に合わせるか、
食後に常温で熟成長めのマンチェゴや
バルデオン系のブルーなどにあわせてみるのが
イイのではないでしょうか?w

因みに
【デ・ムリィエール社】
De Muller
のミサ用ワインは、日本のカトリックのミサ用にも
以下のラベルで限定輸入されています。

Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-vinodemisa
Vino de Misa:ガルナチャ+カリニェナ
Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-vinodemisa
Vino de Misa:モスカテル

通常、一般小売やネット販売はされていないですが、
販売元の「株式会社ワコー」に電話すれば送ってくれます。
連絡先は 047-703-6311

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他、Webから抜粋した情報を少しあげておきます…

1851:アルザスから来たワイン醸造一家ムリィエール家が創業。
1883:ミサ用ワインの認定を受けた。(ラベル参照)
1888:バチカン博覧会でミサ用ワイン金賞受賞。
1904:アルフォンソXIII時代王室御用立に。
1907:ミサ用ワインが法王庁御用達指定に。
1925:スペイン初(?)となる低温倉庫を設置。
1942:法王がボデガを訪問。
1995:ムリィエール社をマラトレル家が買収。
1996:マス・デ・バルス*移転し、近代設備に。
1999:1946年創業でベルモットなどの生産で知られるコチス社を継承。
*一説にはこの地がオリジンとされるコロン家の一人がコロンブスとも云われている。

現在、タラゴナ、プリオラット、テラ・アルタにて、
これまで通りミサ用ワインなどのヘネロソ、ベルモットを醸造・貯蔵しつつ、
近代設備でスティル・ワインの製造に力を入れている。

ソレラ物は創業当時の1851年ものから、
数種類のストックがあり興味深いボデガです!w

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