$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-マディラ

2012年6月12日
目白の老舗酒屋【田中屋】さんにて、
【バーベイト社】
テイスティング・セミナーにお邪魔してきました。

普段店ではマディラの扱いはないので、
意外とこの手の案内は来ないんですが、
従業員のKちゃんから「いらっしゃいませんか?」とメールがあり、
時間も作れそうだったのでお邪魔する事に。

はるばる生産者がお見えになってのセミナーでした。

面子は主催者でもありマディラを最も古くから輸入している
木下インタナショナルの社長から、
同社の方で、日本でも最もマディラに詳しいという方、
それに大塚マディラ専門店をやっており、
日本人で最もマディラ島に行っているというSさん、
他にもまぁ、見慣れた、そして濃い、詳しそうな面々がいらしてましたw

試飲は木下社に残っていたという
貴重なエストゥファ前のティンタ・ネグラ・モーレから始まり、
スウィート、シングルハーベスト、マルバジア飲み比べ、
その他、セミナー後にレアものを少々頂けるという贅沢なものでした。

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マディラ・ワインの発達の歴史には恐らくスペインも強く関係しているので、
その興味から歴史的関連性は探り続けていますが、
それぞれのサイドから調べた上で比較検討する必要を改めて感じました。

セミナーにはいつも学びがあり、こういうクローズで濃い同業者がいると、
それなりの濃い質問が出て、場合によってはその方が勉強になったりします。

熟成に関する考えだったり、樽に関する考えだったり…
中には生産者自体がそこまで意識していないような質問も出て、
生産者も困ってか、違う応えをしていたり…と、なかなか面白い会でした。
Ex,生産者が蔵の湿度を把握していなかったり…とかw

田中屋店主のKさんの絶妙な質問振りもなかなかの演出でしたねw

意外かつ納得だったのは、
蒸留液もカラメルもフランスから買っているという部分。
フランスの何処産で、何葡萄が原料なのかとか気になる部分はありますが、
彼ら的には、あまり興味がないようで、
マディラ協会が厳しく決めていて…ということでした。

かつてポートの色づけにはニワトコが使われていたなんて話しもありますから、
なんか面白い話しでもあればなぁ~とは思うんですが…なかなかネェ…w

*****

今回の試飲に関しては・・・
以前から思ってはいることではありますが、
個人的には例えばマディラの普及品スウィートなどは、
様々な意味でアモンティリャードのミディアムとの類似性が高いですね。

と、それぞれ大変美味しいのですが、よほどのビンテージや、
レアなソレラのものではないかぎり、コストパフォーマンスを考えると
(なかなか書きづらい部分ではありますが)
僕的にはアモンティリャードやオロロソの
パフォーマンスの高さを再認識するテイスティングにもなりましたw

一方で、最大の違いはやはり酸味ですね・・・
その酸味の出し方のノウハウの話しも大変興味深く、
でも一方でディペンズな部分があり、ある意味シェリーより複雑というか、
法則性がなく捉えづらい部分があるんだなぁ…と改めて思った次第です。

ただ、カンテイロやエシュトゥファなどの加熱熟成と、
この独特の酸味があるお陰で、瓶詰め後の長期保存が可能であるという意味では、
シェリーより長けた強化ワインと言えるでしょうね…
そこがマディラ最大の優位性…
つまり気に行ったら買い置きがある程度出来るってことなんですね…
シェリーはそれが出来ない…Orz...残念ですが…

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今回は急な事もあり、予習なしだったので、
来月開催される別の生産者のセミナーには、
事前に準備して臨みたいと思いますw

Kちゃん御誘いアリガトネ!