$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-shaker
(Photo by Cocktails Wiki)

最近とある雑誌をみて思うところあったので、
本にするつもりで調べているネタではありますが、
自分でも本という形に出来る自信がまだまだないので、
今回はそのネタのさわりを紹介することにします。

僕はワイン系から飲食業に入って、
紆余曲折ありながらも、
今までカクテル系の店では働くことなくきましたが、

シェリー酒のべネンシアというものに触れてから、
そして洋酒に造詣の非常に深い
神戸の「市野」師匠の影響が多分にあって、
洋酒の歴史を調べるようになりました。

最近はあまり更新出来ていないのですが、
この10数年、ずっと酒の年表を作ってきており、
今では670p(A4)を超えました…

そうなると、当然やってきていないカクテルや、
カクテルにまつわる話も沢山出てきます…

そんな中、気になったのが
「ジェリー・トーマス」の「ブルー・ブレーザー」でした。

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"Blue Blazer" by Jerry Thomas

2006年でしたか、
前職の商社の営業で大阪に出張に行った時、

ベネンシアドール萬川さんの御紹介で行った
東心斎橋のバー・ヒラマツさんにお邪魔しました。

そこで、マスターのマイブームが
19世紀のカクテルの再現だと聞いて話しが盛り上がりました。

幾つかカクテルを頂いたのですが、
僕も本でしか読んだことが無い
「オレンジ・フラワー・ウォーター」
を実際に使っていたのが印象的で、
途中、常連さんも混ざって朝まで色んな話をしたのを思い出します。

以後、カクテル自体にというより、
その周りの道具や歴史、哲学?みたいなものに興味が湧き、
それまで持っていた文献の読み直しや、
カクテル、ワイン、蒸留酒というカテゴライズに拘らない
ヨーロッパの歴史的・宗教的・習慣的な一つの文化を
今まで以上に包括的に調べるようになりました。

その中でも興味深かったのは、やはり
【シェーカー】
【ミキシンググラス+バー・スプーン】でした。

僭越ながら、僕的には
「バー・スプーンのルーツは明らかにベネンシア」
なのですが、
詳しくはまた、いずれ・・・

それよりも興味深いのは、
「シェーカーのルーツが
タロット・カードに描かれていた?」

という事なのです。

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これはマルセイユ・タロット版の「節制

これは、今日、このブログを書いた時点では、
調べた限り、誰も言っていない話しだと思います。

ということは、まだ「僕の仮説」…
とはなるんでしょうが…

でも、この話というのは、
単に「絵が似てるでしょ?」という
単純なものではないんです。

では何か?というと、
アニミズム的な話…なんです…

様々な見方、意見はあろうかと思いますが、
シェーカーの構造と動作、結果を見ていくと、

「トップ+ストレーナー」は「男的部分」であり、
「ボディー」は「女性的部分」であり、
その中で「生命力溢れる動き」と共に
二種類*の液体が均等に混ざることによって
*あくまでも基本として
最終的にグラスに注がれるのは新しい命
そう「子供」なんですね…

つまり「液体」は「体液」に通じるのです。

*****

ヨーロッパ的/聖書的には、
人は神に似せて創られたとされています。

ところが人間は神ではなく不完全な存在。

長く複雑な解釈を抜きにすれば、
人間が神に最も近づく術とは何か?

それは「子供」をつくるということなんですね。

「男性の体液」と「女性の体液」が
均等に混ざることで
「新たな生命が生まれる」

これは、このタロットの節制のカードの意味にもリンクします。

そして、私もするベネンシアール。
これも「男性的部分」である「ベネンシア」と
「女性的部分」である「樽」
そして、生命力あふれるスピーディーなベネンシアによって
グラスに新たな生命が注がれる・・・

これは単なる偶然性ではないのです・・・

*****

書いていて面白くなってきたので、
一度バンバン書いたんですが、
最悪なことに途中から保存されていなかったので、

次回は、ブルー・ブレーザーに関する仮説を
また改めて書きたいと思います・・・

今日はもう出勤時間にて・・・

ご興味ある方は
Sherry Museumのカウンターでお待ちしております!