ハモン（生ハム）の掃除

生ハムもこれぐらいになると…
次のハモンに切り替える時期ですね。



オジャリアで使っているのは、
純血が売りな
【ハモン･イベリコ･デ･ベジョータ】
中でもサンチェス･ロメロ･カルヴァハル社の
【　５　Ｊ　】
というブランドです。

イベリコは色んな説明が錯綜していますが、
残念ながら多くの方が誤解をしているようですね…
これに関してはまたいずれ…

今日は切り方、というか見せ方みたいなものを少し…

先日、知合い？の店のハモンを見て気になったので
その話になったのですが、

ハモンには切り始めるべき順番というものがあります。
それは人間でいう太腿の後の部分からになります。

スペイン語では「マサ」と言います。
脂肪が多い部分ですね。

上記の写真は後腿である「マサ」を切った後、
裏返しにして
前腿の部分「コントラマサ」を切っている…
というか、間もなく切り終わる状態です。

先日、見てしまったハモンは
「コントラマサ」から切り始めていました…
これは順番が逆です…

店の勝手…かも知れませんが、
ハモンを知っている人が見たらガッカリするし、
他に関してもそういう意識の店なのか？…
と思う人もあるかもしれませんので、
簡単なことですから、
是非、マサから切り始めてもらいたいですね。

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新しいハモンを切り始めたら、
まず掃除をします。

掃除とは、可食部に近い部分まで、
周りを削っておくことです。

膝裏辺りに切り込みを入れ、
熟成している間に肉を守ってくれていた
外側部分を外す作業です。



スライス･パックではなく「原木」を置く理由は
美味しさはもちろんですが、
カウンターを飾る「見世物」としての意味合いも大きいですから、
綺麗に削って「見た目にも美味しそう」に見せることも大事です。

この写真は大きく外してありますが、
回転が早くない店舗では、この掃除の際に切り過ぎると、
可食部が余計に酸化してしまうので、
程度は店の回転にあわせてすることをお勧めします。



この写真では、
原木の上部分が後腿「マサ」
膝が見える下部分が前腿「コントラマサ」
写真左のメガネ状の骨が骨盤です。

骨盤は付けておくやり方と外すやり方があり、
この写真は付けておいてある状態。
一番上の写真は外した状態のもの。



骨盤の表面を綺麗にしておくのは僕流です。
スペインでそうしている訳ではありませんが、
見た目にいいのでずっとやっていますし、
部下にもそう指導しています。

一日が終わったら、
予め切っておいた表面の脂を乗せて、
かるくラップして
入っていた布をかけて帰ります。

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因みに原木のハモンは決して冷蔵庫には入れません。
冷蔵庫に入れると、
ハモンが風邪をひいて不味くなるからです。

よく「冷蔵庫に入れないの？」と聞かれますが、
僕はいつもの如くこう答えています…
「冷蔵庫の発明は１５０年前ほど、
ハモンの歴史は２０００年を超えますからね…」と。

またラップでぐるぐるにすると
蒸れてカビが生えやすくなるし不味くなるのでお勧めしません。
ラップの発明も、たかだか５０年ですから…

実際、常温⇒冷蔵⇒常温を繰り返すと、
香りは飛び、熟成は停まり、風味が落ち、不味くなります…

ただ、その代わり店のエアコンは
つけたまま帰らないとダメですが…
でも旨さには変えられません…

お陰さまで常連様方々には、
「ここで生ハム食べると他では食べれない」と、
いつもお褒めの言葉を頂きます。

でもこれも、
スペインのハモン職人のヘナロ師匠の指導の賜物ですし、
可能な限り教わったようにすることが
異国のの文化尊重することだと思っています。

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次回（時期未定）は
生ハムの切り方、出し方などを…

それに、よく聞かれる
スペインのハモンと
イタリアのプロシュートの違い
なんかも面白がられるテーマですので、
そのうち…

そうそう、
イベリコの正体や実情なんかの話もね…
ニセモノ的なものが多いですから、
見分け方とか…ネ…

貴重なイベリコ豚が、
居酒屋やコンビニのメニューに使えるほど
いるわけないですから…（笑

でもこれにはカラクリがあるんです…
別に違法でも誤魔化しでもない。

消費者が解っていない、解ろうとしていない、
提供者が理解していない、伝えようとしていないだけ…

でも多くの日本人がそれでイイみたいなんですよね…
僕はイヤですけど…

なので、僕は伝える人になれるよう、
突っ込まれて恥をかかないよう勉強してます（笑
まだまだですけどね…（汗；