$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-果物

先日、仕事が船乗りで
英国の帆船や、
スペインの商船にも乗っており、
今は日本の貨物船に乗っている…
という方が、

「久々の陸地で、人と話がしたくて…」

と、カウンターごしに
話かけかれてきたので、
船上での酒や食事の話しなど
色んな話しをお伺いすることが出来ました。

幾つか興味深い話があったのですが、
中でも面白かった話が

「ソルティー・ドッグ」

の話しでした…

ソルティー・ドッグ自体は
オーセンティックなバーだけで・・・
というよりは、
バーと名がつけば今や何処でも、
いえ今や居酒屋でも
普通に見かけるようになった
カクテルですが、

通常のレシピは
【ウォッカ】
【グレープ・フルーツ】
【塩:スノースタイル】
ですが、

彼が英国籍の帆船に載っていた時は、
違ったそうなんです。

【ウォッカ】【レモン】…以上…

んんん???って感じですよね?(笑

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レモン?ですか…

レモンそのものは歴史的には、
確かに壊血病対策としては
妥当かつ当然ですが…
今の時代にね…はて…

*****

ものの本/Webによると
オリジナルはウォッカではなくジン…
ライムを使っていたとかいないとか…
グレープフルーツは安いからだとか…
まぁ色々出てきますね。

*****

彼の話しは続きます。

まず「ソルティー」ってのは文字通り
「塩気のある」という意味ですが、
これは船乗り用語で「船員」
しかもどちらかと言うと肉体系の下級船員…

で、「ソルティー・ドッグ」とは
船乗り用語としてはやや蔑んだ言い方で、
甲板を犬の様に這いずり回って働く船員を
卑下した表現なので
決していい意味ではないそうです。

また、老いた船乗りや、
退役船員を「オールド・ソルト」と言うのは、
そんなに悪い言い方でもないそうで…

逆に入りたての若い船員は揶揄して
「シュガー」と言ってからかったり、
大昔は、どこぞの刑務所映画であう様な
目にあったりもしたのだとか…

彼自身もシュガーと言われ
差別的な扱いをされた経験があった
そうなのですが、
上級船員が
「彼は立派な経験と資格を持った
立派な船員だからシュガー扱いするな」
とフォローしてくれたこともあったとか…

で、本題ですが、
彼が乗船していた英国籍帆船での
ソルティー・ドッグは、
鍋にウォッカとレモン果汁をドバドバ入れ、
コップで組んで、
甲板で飲むものだったそうです。

で、「塩は?」の問いに、

「海上での甲板は海風が凄くて、
すぐ唇が乾いて塩味になるから、
塩は要らないんですよ…
わざわざつけなくても
飲んだら塩の味があるから…」と彼…

な・る・ほ・ど・ねえぇ~(激納得!

いやぁ面白い話しを聞けました…

船乗りさん!ありがとうございます!!