季節の変わり目はただでさえ喘息で調子を崩すのですが、
先日の突風以降からこの数日まで酷い風邪でやられてました…

気付けばブログの更新も全く出来ず…
一応、毎日を目標にやっっているので、
遡って無理やりグッズの画像だけUPしておきましたが(汗;

ま、それはさておき…

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シェリー酒の勉強をする方が身近に増えて嬉しい中、
アメブロのアクセス解析を見ていたら

検索キーワードの中に
【シェリー 酒石】
というのがあったので、
少し触れたいと思います。


もう何年も前になりますが、
レアル・テソロ社を訪問した際、
細かい話が聞きたいとラボに案内して頂いたことがあります。

そこで頂いてきたのが、この酒石。

$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-sherry
"Cream of Tartar in Sherry Cask"

ここに写っているのは煙草箱大の酒石。
けっこう大きいでしょ?(笑

ワインを扱う方々なら、
ワインの瓶の底や、
抜いたコルクの裏についた酒石を御存じでしょう。

でも樽の中では、こんな大きさになるんです。

そもそも酒石とは
ワイン中の酒石酸とカリウムKが結合して石化したもの。

まぁ人間でいう胆石のようなもの…
あまりイイ例えではない(苦笑)のですが、
個人的には先天的にビリルビン値が高いので
気を付けないといけないのですが…

ま、それはどうでもイイとして…

シェリー酒の樽は他のワインの樽とは異なり、
ソレラ&クリアデラで長期に、
しかも樽内のワインが段階的に注ぎ足しされながら
熟成を重ねるので、

樽はその使用時間が長ければ長いだけ、
樽の内側に酒石がつもり、重なり増えていくんですね。

この下の写真をよーく見ると解ると思うのですが、
樽の内側の木の継ぎ目がわかりますか?

$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-sherry
"Cream of Tartar in Sherry Cask"

こんな感じでびっしりと樽の内側を覆い尽くすんですね…

なので、相変わらず、
シェリー酒は樽の影響を受け続け…
みたいな説明をされる方々がいらっしゃるんですが、

そもそもシェリー酒は醸造酒で、
オロロソでもせいぜい度数が20度ですから、

ウイスキーやブランデーのように
40度-60度のアルコールと接しているわけではないので、
言うほど樽/木そのものの影響というのは
大きくは受けないのです。

この酒石とその厚さを見て頂いてお分かりのように、
全てのシェリー樽がそうだとは、もちろん言いませんが、

少なくともこの写真の様な厚さの酒石がびっしりついた樽の
シェリー酒が、樽そのものから
大きく影響受けているわけではないのは
お解りいただけるのではないかと思います。

今でこそヘレスのDO法律内では禁止になりましたが、
かつてはシェリー酒の一部も樽ではなく
大甕(ティナハ)で仕込まれ&熟成されていたものもあるので、

もちろん樽を使うことの意味合いは大いにあるのですが、
別の観点から見れば、
樽でなければいけない訳でも無かったりするんです…

**********

因みに、頻繁にではないのですが、
樽の中を掃除するということがあり、
その際にはこの酒石が取り除かれます。

さて、アメブロ上では
今までしたことがないですが、
ここで問題です(笑

ツイッターのフォロワーの方々には御馴染?(笑

Q「樽を壊さずに樽の内側についた酒石だけを取り除くのに、
シェリー酒のメーカーはあるものを使って取り除きますが、
そのあるものとは何でしょうか?」

注)念の為、この時の樽の中には液体は入っていない状態です。

プロとして、ヘレスのボデガを見学した方々、
またはベネンシアドールの資格取得者の方々なら、
普通に答えられる問題かとは思いますが…

一般のファンの方々はいいとして、
プロの方で解らない、知らない、初めて聞いたとい方…

今後は、
もっと観察力と興味と好奇心をもって
勉強や現地見学に励んで下さいね!

先輩からのお願いです。

念の為、言っておきますと、
知っているのが凄いことではないですし、
決して偉いわけでも誇らしいわけでもないんです…

一番大事なのは、興味と好奇心をもつこと。

「聞く」より「問う」ことなんです。

かつてニッカの創始者竹鶴氏も言っていました。

「常に好奇心を持て」と…

それにつきると思います。

それがあれば、現地を訪問した時に、
この問題の答えをいとも簡単に見つけることが出来るでしょう。