$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-kalomocho

先日、カウンターでカリモチョの話になったので
今回はカリモチョの話しを少し…


最近の日本のスペイン・バルには勿論、
バル的な居酒屋さんでも見るようになった
【カリモチョ】
Kalimocho / Calimoicho

一言で言えば
「赤ワインのコーラ割り」
で、慣れない方には
「えっ?」
となるみたいですが、
飲んでみると、意外に美味しいんですよ…(笑

作り方は赤ワインとコーラを半々!
超簡単カクテルです!!

飲まれたことのない方々は是非飲んでみて下さい。

$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-kalimotxo

そもそも、この「カリモチョ」が何者かといいますと、
1970年頃からスペイン北部で飲まれるようになったもので、

当初は
【リオハ・リブレ】

【クーバ・リブレ・デル・ポブレ】
と呼ばれていました。


上記はクーバ・リブレ(キューバ・リバー)をもじって
赤ワイン産地で有名なリオハのとしたもの。
下は「貧者の為の」という意味の「デル・ポブレ」としたもの…(笑

他にも「モチェーテ」「ティンコラ」などの別名もあります。

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元々は、
酸っぱくなった/酸化したワインの酸味を抑える為に
コーラを足したのがきっかけだった…と云われ、

1972年にバスクで行われた祭をきっかけに、
当初の言い方よりも「カリモチョ」という
バスク発的な名称でスペイン全土に広がり、
1980年代にはポピュラーになって行きました。

「カリモチョ」という名の語源は諸説あるようですが、

「カリ」はカリモチョを作るプラスッチック・コップ(750ml)が
スペイン北部では「カチ」というので、そこから派生したとする説や、
スペインでも人気になった日本のアニメ
「カリメロ」がヒントになった…とする説などもあり、

「モチョ」というのは「角の取れた」という意味の他、
日本語の「風味の」とか「的な」や「を混ぜた」のような
ニュアンスの言葉で使われいることから生まれた造語だと云われています。


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さて、そうはいっても、
「そんな飲物…」という貴方!
ちょっとまって下さいな。。。

実はコカ・コーラの生みの親である
米国人のJ.S.ペンバートンは、
南北戦争で南軍に従軍した薬剤師で、

南北戦争後にコーラのエキスを調合し、
薬用酒とするため当初はワインに
そのエキスを入れて
「フレンチ・ワイン・コカ」
の名で販売していたんです!

つまり言うなれば、
カリモチョはオリジナルに戻ったようなものなんです!

ま、結果的には各州での禁酒法の動きで売れず、
代わりにソーダで割ったものに姿をかえていくのですが…

なので、ワインがベースになっていることに
抵抗のある方がいるのは解るのですが、

それを言ったら、
ベルモットなどのアルマタイズド系のワインも、
サングリアも可笑しいことになってしまうので、

今後は、日本人が知らなかった、
出来合いアロマタイズド系ワインの一種として
認知して欲しいものです(笑