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1611年、徳川秀忠の部下がシェリー酒で乾杯して・・・
2012年で400年が過ぎた・・・
1611年と言えば、
オランダに商品取引所(後の証券取引所)が出来、
英国では木材の枯渇問題が囁かれる中、
石炭が注目されはじめていた時代…
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![$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-美術展](https://stat.ameba.jp/user_images/20111121/12/catador/76/d8/j/t01700214_0170021411624620179.jpg?caw=800)
(Photo by Web:地球の歩き方)
スペイン人が多かった宣教師の影響を受けながら、
日本にはスペインの文化が少しづつ入り込み、
煮込み料理の「オジャ」は「おじや」として、
四旬節の料理である「クアトロ・テンプラシ」は「天麩羅」として、
そして「コシード」の中でも揚げたものを煮込むという方法は、
後に「おでん*」へと姿を変えていった…
*おでんの語源は田楽からと云われています。
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19世紀、日本の開国によって港が開かれると、
米国人や英国人がどっと押し寄せ、
対英国人を中心にシェリー酒が彼らの需要を満たす為に輸入された…
明治の始まりと共に日本のアッパーな世界にも変化が訪れ、
宮中や華族を中心に英国人がもたらした模範的(?)なしきたりの中、
シェリー酒はアッパーな人々の飲み物として普及・・・
大倉喜七などの牽引者が西洋文化を積極的に取り入れ、
木下杢太郎や、永井荷風は西洋文化を詠い書き残した…
銀座では、西洋に憧れるセレブ達が、
洋酒やコーヒーをすすり始めるが…
しばらく、すすることを良しとしない時代が到来…
それを尽くかき消した…
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WWI-WWII
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戦後、マッカーサーを象徴に米国文化が日本に入り込み…
神武景気と共に、
今まで以上に開かれた洋酒ブームが誕生した。
米国の軍などで働いていた英語が堪能なバーテンダー達によって、
銀座に新たなバー文化が生まれ…
いっそう海外に憧れをもつ若者が増え、
銀座を中心に日本は華やかな時代へと向って行った…
1950年頃、吉田茂を牽引役にシェリー酒も再び知られるようになっていき、
1951年には慶応大学でシェリー・パーティーが初開催された…
1956年、中野好夫の「もはや戦後ではない」という言葉を象徴に、
この年、開高健らによって「洋酒天国」が創刊された…
その後、1970年代には
吉田茂の息子で作家の吉田健一による
英国でのシェリー酒体験がその著書に刻まれて、
都内のホテルのバーでシェリー酒を飲むのが流行…
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逢坂剛氏が「カディスの赤い星」で直木賞を受賞した1986年、
銀座に「しぇりークラブ」がOPEN。
翌1987年公開された映画「バベットの晩餐会」は
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食への欲が増していた日本に大きな衝撃を与え、
中に登場するワインを飲むのがステイタスになり、
アモンティリャードが一部のセレブの間で話題となった…
1992年、バルセローナ・オリンピック&セヴィリア万博による
スペイン・ブームでシェリー酒への興味も上昇…
1995年のポリフェノールによる赤ワインブームによって、
スペインとシェリー酒への興味は一旦終息へ向かうが、
1998年頃から出てきた
シェリー樽熟成を強調したモルト・ウイスキーで、
モルト・ウイスキー界からシェリー酒への興味が急上昇…
それを知ってか知らずが、2002年、
日本でベネンシアドール資格が誕生し…
2003年、拙著「シェリー酒:PHP」出版。
徐々にではあったが、絶版になるまで12000冊が売れた…
また一方では、2006年頃から現れ始めた
スペイン・バル・ブームによってシェリー酒を置く店が徐々に増え、
シェリー酒は、フィノやマンサニージャというタイプ認識へと発展…
リーマンショックを乗り越えながら、
これから話題のお酒という認識からなのか、
多くの店が1種類だったシェリー酒の品揃えを増やし始め…
そして2012年を迎えたこの春…
じわじわと、そして強く、巷のプロ達の間では、
同じタイプの味の違いやその理由に興味が出てきたようだ…
今後の動きとその勢いにも注目したい…
©Kohya Nakase
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