スペインにはシェリー酒に似たワインが幾つかあります。

原産地呼称で言いますと、
「 ヘ レ ス 」 D.O.Jerez
「モンティージャ・モリレス」 D.O.Montilla-Moriles
「 マ ラ ガ 」 D.O.Malaga
「ウ エ ル ヴ ァ」D.O.Huelva
と、他に
「セヴィージャ」 Sevilla産等のものもありますが、

ここで紹介するのは

モンティージャD.O.Montilla-Morilesの
【アルヴェアール社】
Bodega"Alvear"


そもそも
モンティージャ・モリレスという原産地呼称は
世界遺産で知られるメスキータ(786-)のあるコルドバの南にあり、
アラブ占領時代(719-1236?)にも
葡萄栽培・ワイン醸造が行われていた場所…

何よりペドロ・ヒメネス種Pedro Ximenez(P.X.)の葡萄のルーツとして有名で、
シェリー酒として売られているP.X.の多くは今でもモンティージャ産…

そんなモンティージャ産のP.X.は
既に17世紀に英国やオランダに輸出されていましたが、
現在の様になっていくのは18世紀初頭…

1701年から1714年に続いた「スペイン継承戦争」中
代替えとして急速な発達を始めたマディラ酒と共に、
戦後の需要拡大した中での登場でした…

そんな最中の1729年
アルヴェアール社は創業を開始します。

$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ
左上:P.X.のヴィネガーVinagre de P.X.
左中:インテンデンテ・ブランデー・ソレラ
"Intendente" Brandy Solera *未輸入品
 左下:プレジデンテ・ブランデー・ソラレ・レセルヴァ
"Presidente" Brandy Solera Reserva
右上:フィノ・エン・ラマ Fino de Rama 
右二:アモンティリャード「カルロス七世」 Amontillado "Carlos VII"
右三:オロロソ「アスンシオン」 Oloroso "Asuncion"
右下:ソレラ・クリーム "Solera Cream"


$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ
左上:P.X.アニャダ P.X.Anada(ソレラではない)
左中:P.X.ソレラ1927 P.X.Solera 1927
左下:P.X.ドゥルセ・ヴィエホ P.X.Dulce Viejo
右上:アルヴェアール・フィノ Alvear Fino
右中:アルヴェアール・アモンティリャード Alvear Amontillado
右下:アルヴェアール・クリーム Alvear Cream


$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-alvear
上:フィノ・セー・ベー Fino "C.B."
中:P.X.1927 P.X. 1927
下:モスカテル・アルヴェアール Moscatel Alvear

≪上記の内、何種類かは日本にも輸入されています。≫

モンティージャ・モリレスは
基本的な概念はシェリーに酷似しますが、

大きな違いは原料葡萄が一部を除いて
「全てペドロ・ヒメネス種製」
だという事と、
「フィノやアモンティリャードに関しては酒精強化をしていない」
という事。

但し、よくある誤解ですが、
オロロソや、いわゆる甘口のP.X.は、
酒精強化無しでは造りえないので、
誤解無きよう・・・

***************

2011年10月5日
アルヴェアール社のアジア輸出部長の
「ロシオ・オルベアRocio Orbea」さんが
何社かある輸入元の一つである飯田の担当者Isabelさんと
オジャリア銀座店に来店してくれました。

$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ
(同社取扱・飯田輸入のラ・スルタナ・フィノ"La Sultana" Finoと共に)
$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-montilla

先任の輸出部長だったラファエルRafael氏が引退されてから、
あまり連絡を取っていなかった同社ですが、

ロシオさんとも色々お話が出来、
「今後の疑問はメールで直接下さい!」…と、
また、
「モンティージャ・ワインやモンティージャ圏の本を見つけたら送りますよ」
と言って頂き…一応、期待…(笑

逆にこちらとしては
せっかくいらしたのでと、「日本酒の古酒」と「味醂」を
それぞれ
"Oloroso de Japon" y "P.X. de Japon"だと言って
半分冗談でお出ししたら、
興味深い!と気にいって頂けました。

前回モンティージャ村に行ったのは2002年でしたが、
またいつか行ってみたいものです…