先日、勉強熱心でいつも応援しているバーテンダーさんに
「砂糖の本は何がイイか?」を尋ねられた。
酒の勉強において
意外とないがしろにされている
【 砂 糖 】
実は、『一番大事な部分』と言っても過言ではない…
砂糖そのものに限定すると、やや語弊があるものの、
『酒とは何らかの糖分がアルコール化した飲料』
であるから、
『糖こそ全ての酒の基本である』
と言ってイイ。
ここで言う砂糖とは、
黍糖や甜菜糖だけでなく
コーン糖、メイプル、蜂蜜、異性化糖なども含む。
そこで幾つかの本を挙げておく。
まずは砂糖歴史の大家「シドニー・ミンツ」氏の本。
【甘さと権力】1988年 ☆☆☆☆☆
ただ、残念ながら日本語版は絶版&入手が困難な一冊…
なので、どうしても似た切り口で…という場合は
【砂糖の歴史】2011年 ☆☆☆☆
歴史学者が書いただけあって、
歴史、特に黒人奴隷関係や
カリブ、イギリス、アメリカの貿易関係の研究者にはイイ本だ。
そこで、一冊目か、一冊だけ買うならこれをお勧めしたい。
【砂糖の世界史】1996年 ☆☆☆
これは実は侮れない岩波のジュニア文庫で
上記のシドニー・ミンツ氏の「甘さと権力」の翻訳者でもある
川北稔氏が書いた物。
読みやすく、手ごろだ。
他には、似たような切り口で写真も入っている
【砂糖】1980年 ☆
文章はやや真面目過ぎて
読み物というより簡単な資料集という感じ。
著者はウイスキーの本でも知られた平沢正夫氏。
他にも、性質、製造、流通、規格や生理学など、
ざっくり知りたい方には
【砂糖入門】☆☆☆
理系受けする内容かもしれない・・・
あとは、
身近な砂糖の種類や用途、レシピが知りたい方には
【砂糖:嗜好の調味料】
いわゆるカタログ/ムック的な本。
***************
以下は、研究者以外は必要ない本・・・
"The History of Sugar by Noel Deerr"
1950年 ☆☆☆☆☆
国別の生産&ミル(破砕・圧搾機)のデータが凄い…
"A Study of Varios Sources of Sugar by Lewis S. Ware"
1881年 ☆☆☆
砂糖の歴史の転換期でもあった19世紀事情を知るには興味深い…
"l'Aventure du Sucre by Claude Fauque"
2002 ☆
モーリシャス砂糖史
旅行で行った時購入…フランス語…
***************
甘さと権力―砂糖が語る近代史/シドニー・W. ミンツ
¥3,780
Amazon.co.jp
砂糖の歴史/エリザベス アボット
¥3,675
Amazon.co.jp
砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)/川北 稔
¥861
Amazon.co.jp