さて…
若手歴史作家、箕輪氏の殿さま狸を読了。
箕輪氏の作風は和田竜みたいなエンタメ路線ですが
和田竜みたいに行き過ぎでないというか…
ほど良い感じで…結構、ファンです。
この本は、徳島藩藩祖・蜂須賀家政が主人公。
そう、あの蜂須賀小六の息子ですね。。
で、野球が始まるまで、ライトな戦国オタクとして
過ごしてきた訳ですが…どこの地方の戦国史が好き
かと言えば、最近、四国がマイブームなんですよ~
四国戦国史の魅力は、ともかく、よく分からん、
謎多しと言われてるとこでして…
戦国大名で残した資料が最も多いのは、私の地元、
我らが後北条家と言われてるみたいで、
その理由は読んだ事ないですが多分、1590滅亡後、
その領地がまるっと徳川になったからが、
ひとつにはあるような気が。
四国の戦国史の特徴は、、
まず四国の守護って、土佐と讃岐が細川本家、
阿波が細川分家、伊予が河野家ですが、、
これが、例えば東北なら伊達、九州なら島津とか
後々まで、残りますが、そういう家が一個もナシ、
さらに今川義元の今川家も1568滅亡までは
名門守護が戦国大名化して存在する訳ですが、
戦国四国では守護が戦国大名化しなかった、
河野家は戦国大名化したとも言えますが、
まぁ、これが超ダメダメな家でして、
つまり、土豪から戦国大名化する毛利家パターン
とか多い訳ですが、、
そういう家々がひとつも江戸時代に、
残らないのですよね~~、、
四国の戦国大名としては、阿波・讃岐が三好、
土佐が長宗我部、伊予が河野に西園寺、宇都宮に
石川とかとか有名ですけど、、、
全部、江戸時代には滅んでたぁぁ~~~笑、、
こんな地方も珍しい気も。。
四国の中では、どこも興味深いですが、
やはり土佐ですかね、、土佐と言えばゲームとかで
長宗我部が人気ですけど、、
マイブームとしては…土佐一条家なんですよね。
これが、不思議な家でして。。
いわゆる公家大名ですけど、応仁の乱開幕の
翌年1468に一条教房が戦乱を避けて、
一条家の荘園のあった土佐幡多地方に下向、
幡多地方は土佐西部地方で中村がその中心。
中村が小京都と呼ばれる所以です。
ここから、天正年間冒頭まで4代目の兼定が
長宗我部元親に負けて九州に亡命するまで
百年間栄華を極める。
一条教房の息子を土佐一条家初代とするので、
教房もカウントすると五代百年の栄華~~~、
コレって、我らが後北条家と同じです…笑。
4代目の一条兼定は信長の野望では知謀1戦闘力1とか
バカ殿の極みに設定されてますが…まぁ、ともかく
資料がないんですよねぇ、
大体が江戸時代初期の長宗我部遺臣とかが書いた
軍記物語をベースにするから、そうなっちゃうです、
司馬遼太郎の夏草のなんちゃら…とかの
長宗我部もの小説もその辺ベースですからね。
で、四国戦国史の面白いのは、この一条家の西隣の
南伊予の西園寺家も公家大名でして…西園寺家の
家格は一条家よりチョイ落ちですけど…。
西園寺家をググると平清盛が日宋貿易やってたのは
有名ですけど、平家滅亡後、日宋貿易の権益を
引き継いだのが西園寺家らしいです。
それで、1230頃から伊予に進出、
宇和郡の松葉城のちに黒瀬城ですね。
なぜ、伊予に進出したかというと、
日宋貿易とかからの流れ、海外貿易とかも
関係あるらしいです。
宇和島、その頃は板島といったのかな、
その辺も所領でして、宇和島沖には
日振島があります。
日振島ってのは、藤原純友の乱の根拠地で
海上交通の要衝だったのかも…。
一条氏も日明貿易に絡んでたという噂もあり、
この辺は瀬戸内海を通らない土佐沖を航海する
南海路という航路が関係している。
なんかですね、ロマンの宝庫という感じですね。
■一条家の日明貿易についての記事はコチラ
■土佐七雄を解説した超面白い動画はコチラ
この戦国ゆっくり系はレベル超高いです、
ユーチューブ戦国動画はウェブ記事を動画化した
だけ的なモノが多いけど、、ここは全然違う、
上のコンテンツは比較的入門チックですけど
例えば長宗我部元親の父親・国親の生年を
従来説1504から最新説1514に更新してるし~~、
■一条家の荘園支配を解説した動画はコチラ
これは、超絶スゴい~~、、
応仁の乱、一条家土佐下向直前の一条家荘園支配の
実体を解説~~、、多分、超マニアックな専門書を
読んでるんでしょうねぇ、脱帽~~、
これによると、当時の一条家の荘園は全国に
あるものの、ちゃんと収益回収できてたのは
播磨と越前のみ。。
幡多地方の荘園なんて、とっくの昔に掌握出来てない
状態で…そこに乗り込んだ訳だから
やっぱり、ロマンですよね。。
■□追加資料□興味深し・伊予の重要性はコチラ
南海路が発達したのは、十六世紀初頭、
大内対細川のガチマジ抗争で、瀬戸内海を大内が
抑えて…細川系が南海路に活路を見出す~~、
□河野家が戦国大名に進化できなかったのはコチラ
…これも、非常に興味深い~~です。。