さてさて…

今村 ・塞王の楯を読みました。



昨年、図書館で予約したら50人待ちとかで、
やっと回ってきました。う~む、傑作でした。

直木賞候補と書かれてますが、
一昨年の直木賞受賞してます。。

時は…戦国時代、、石垣作りの職人集団・穴太衆と
鉄砲作りの職人集団・ 国友衆の宿命の戦い。
両者とも近江ですね。

話の主舞台は関ヶ原直前の大津城攻防戦です。
これまた琵琶湖の畔、近江です。

この大津城の戦いは、司馬遼太郎の関ヶ原とかで
知ってた、、大津城落城が関ヶ原決戦前日で
大津城攻城の西軍が関ヶ原に間に合わず。

その中には、猛将・立花宗茂もいたと…。

話の骨格としては…
鉄砲作りは攻撃でして、つまり矛。
石垣作りは防御でして、つまり楯。

つまり、つまり、矛盾というヤツでして。

穴太衆が大津城に入り、
国友衆が大津城攻城側です。

この両グループの若い棟梁の宿命の対決が
大きなテーマ。

巧いと思うのは…この宿命の対決とあわせて
立花宗茂vs大津城城主の京極高次という取り組みも
アリ。

通常、京極高次は愚将として認識されてますが
とても魅力的な将として描かれてる、、ちと
のぼうの城的な感じです。。

あと、もうラストの方は、若干ネタバレですが
攻城戦の最中に、石垣を、崩して違う石垣を
作るとかとか~~、、

まるで、石垣が生き物のようだぁぁ~~、
一気に読みました。。

で、ここから恒例の…悪口です…笑。

両職人グループの若い棟梁も
平和を願っていて…

絶対、落城しない城があれば戦が無くなる、
絶対、落城させられる鉄砲があれば
戦がなくなる…と。。

コレがちとクサイ気も、、まぁ、最後の方は
ちょっと変わるのですけど、、

あと、立花宗茂も関ヶ原決戦が近づいてるのは
判ってて、焦ってる訳ですが…

ならば、何故、大津城を包囲して
関ヶ原に向かわないのか。。

一応、コレのアリバイは書かれていて
関ヶ原の後方の安全確保のため落城させる
必要があるとかとか、、

ただ大津城守備が三千名で
攻城側が四万人と書かれてるから、、

二万人残して、二万人関ヶ原に向かえば
良いんでは~~、、

やっぱり史実としては、関ヶ原決戦の様子を
大津城攻撃軍は把握してないような気も。

まぁ、こういう御都合主義は
ハリウッド映画とかにはママありですが、、

なんかね、それが気になるのは
作品的に超絶的な魅力が足りないのかも。。

なんかね、今村翔吾は天野純希と比較してしまい
自分的には天野派です。

天野氏の良い作品はなんか、解釈しがたい
モヤモヤ感があり、 平たく言うと
純文学風の感じがするですが、、

今村氏は、やはり、エンタメ系ですよね。
それが悪いと言ってる訳ではないすが。。

今村氏は、のぼうの城とか村上海賊の娘とかの 
和田竜に近い感じがするのでした。。

■次作・幸村を討ての感想はコチラ 


もしかして、コッチの方が、面白いかなぁ。。

■天野純希の作品感想はコチラ